“フェイクファー”は今や“エコファー”。おしゃれの最先端に/グッチに学ぶ
【モードをリアルに着る! Vol.10/小林直子】
2017年の10月、グッチは2018年の春よりファーフリー、つまりリアルファーの使用を中止すると発表しました。これはグッチやサンローラン、ボッテガ・ヴェネタ、バレンシアガなどが所属するケリング・グループの決定によるものです。
これにより、アレッサンドロ・ミケーレのデビューコレクションで発表された、ソールにファーが敷き詰められたファーローファーのファー部分は、2018年春以降、エコファー仕様となります。
私がグッチの販売員さんに質問したところによると、ローファーのファーはカンガルーのファーだそうで、今後、これがどのようなものに変わるのかまではわかりませんが、とにかくもうリアルファーでは作らないとのこと。
現在、エコファーがリアルファーと比べて安価で、品質的にも劣っているという印象は、もう完全に払しょくされています。ファッション界ではリアルファーからエコファーへの転換がますます進んでいくものと思われます。
そうはいっても、すべてのリアルファーが今後数年のうちに廃止されるということは、実際にはないでしょう。また、食肉生産の過程において排出される、牛や羊の皮革やファーは今後も引き続き使用されることでしょう。それでもなお、態度としてサステナビリティにコミットメントすることは非常に重要なことなのです。
グッチもリアルファーを使わないと発表

グッチ ヨルダーン ファー ローファー (グッチオンラインストアより https://www.gucci.com/jp/ja/pr/women/womens-shoes/womens-moccasins-ballerinas/womens-moccasins/gucci-jordaan-wool-loafer-p-496626DMB901063?position=10&listName=PGJP4Cols&categoryPath=Women/Womens-Shoes/Womens-Moccasins-Ballerinas)
なぜリアルファーの使用を中止するのかというと、それはサステナビリティ、つまり持続可能性のためです。グッチのようなハイブランドで、かつ影響力のあるメゾンは、社会に対する責任を持っています。それは建前かもしれませんし、実現不可能な夢かもしれませんが、それでも彼らはリアルファーを使用しないと宣言することで、すべての人がよくなるために行動するとコミットメントしたのです。 実際、ここ数年、コレクションでエコファーを使用するブランドは増加傾向にあります。見てすぐわかる、さまざまな色のファーが使われたコートはもうすでにミウミウやドリス・ヴァンノッテン、クロエなど、多くのブランドで発表済みです。
「リアルファーより劣る」イメージはもうない
西洋には「ノブレス・オブリージュ」という考え方があります。それはノブレス、つまり高貴な者にはオブリージュ、義務が伴うということです。高貴な者とは何も貴族だけを指すのではなく、現代社会においてはお金持ちや権力のある者、社会的な地位が高い人たちのことを指します。そういった人たちには社会をよくする義務と責任があるというのが、このノブレス・オブリージュという考えです。 そういったお金持ち、権力者や社会的な地位が高い者は、環境に負荷を与えるとわかっている方法を選択したり、ましてや人々に奴隷労働を強いたりしてはいけないのです。またお金持ちや権力者、社会的な位置が高い者は、環境に負荷をかけ、人々に奴隷的な労働を強いて作らせた製品を買ったり、使用するべきではないのです。
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