蕾菜の味を説明するにあたり、特徴的なポイントは大きく2つに集約されます。
(1)健康成分を兼ねた「旨味」
噛むほどにおいしい。そんな味覚を野菜で感じたことってあるでしょうか? 蕾菜には、旨味成分としてGABAとグルタミン酸が豊富に含まれているために、しっかりとした旨味を楽しむことができるんです。ちなみにGABAは、血圧効果作用やリラックス効果があるとの報告がある健康成分。
(参考)
GABAの含有量→40mg
グルタミン酸の含有量→600mg
JA全農ふくれん提供(財)日本食品分析センター 分析試験成績書より
油との相性も良く、キュウリなどの野菜と一緒にシンプルに炒めると、魅力を存分に味わうことができます。
(2)他野菜にはない「軽快な食感」
パリパリ、カリカリでもない、食べた時のコリコリとした食感とは、かたいザーサイを味わう感覚にも少し似ています。生で食べると、ほのかな辛味と爽やかさを伴うので、いつものサラダを作る感覚で、主役としてたっぷり入れてみましょう。例えばニンジンなどの甘味の強い野菜と合わせると好相性。

もちろん熱を加えてもこの食感は残るので、さっと火を通してメイン料理のつけ合わせにしたり、味噌汁の具として最後に加えるなど、山菜や根菜よりも使い方はカンタンです。
さらに栄養面では、β-カロテンやビタミンEが豊富に含まれるため、抗加齢・美容効果を期待することもできるでしょう。
ただし、
出回る時期は1月下旬~3月中旬で、大変旬の短い野菜ですから、売り場で見かけたら絶対に買うべき。気になる方は急いで探してみてください!
<TEXT,PHOTO/スギアカツキ>
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【スギ アカツキ】
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、独自で長寿食・健康食を研究し、各メディアで活躍中。
@akatsukinohana