バンダナで暖かさとオシャレの両方手に入る。選び方にはコツがあった
【モードをリアルに着る! Vol.53/小林直子】
手軽で簡単、誰にでも使える装いの小道具の1つにスカーフがあります。
多くの人が何かしら柄が入った大判のスカーフを持っていることでしょう。スカーフを装いに1枚付け足せば、全体の雰囲気を変えることができます。
そのスカーフの中でも45×45センチぐらいの小さ目の大きさのものを通常、バンダナと呼んでいます。
この小さ目のバンダナは、首に巻く、手首に巻く、バッグのハンドル部分に巻くなど、何かと使い勝手がよいスカーフと言えるでしょう。
バンダナの語源は、ヒンディ語のバンドニュで、元来の意味は、大判のハンカチーフです(文化出版局『ファッション辞典』より)。
通常、バンダナには松かさ、マンゴー、まが玉、糸杉模様など、さまざまな名前で呼ばれている独特の模様が描かれていますが、この模様を総称してペーズリーと呼んでいます。
この模様を織り込んだ毛織物はもともとインドのカシミール地方で作られており、18世紀にヨーロッパに伝わり、19世紀には特にスコットランドの都市ペーズリーでこの毛織物のショールの模造品が作られ、広く流行したことから、地名ペーズリーがこの模様の代名詞となりました(同上)。バンダナといえば、ペーズリー模様が施されているのはこのためです。
カシミール地方の織物とはカシミアを指します。カシミアとは、カシミール地方のカシミア山羊の毛から作られた織物のことです。バンダナはもともと、この高級毛織物の代表であるカシミアで作られた、ペーズリー柄のスカーフだったわけです。
さて、このバンダナがウェスタンと呼ばれるスタイルのときに、なぜ首に巻くようになったのかまではわかりませんが、西部劇に登場しそうなカウボーイのスタイルとバンダナはいつもセットであらわれます。
上述したように、ウェスタンスタイルで決めるなら、ウェスタンブーツ、ウエスタンハット、ウェスタンシャツ、フリンジ、バンダナというように必須の要素を積み上げていけばいいわけですが、ごく普通の日本の日常では、本気の西部劇ファンでもない限り、ほんのちょっとだけウェスタン気分を味わうために、バンダナ1枚か、何かもう1つぐらいのウェスタン要素にとどめておくといいでしょう。
バンダナといえば、ペーズリー模様の理由は?
カウボーイスタイルといえばバンダナ
2018年秋冬のディースクエアードのテーマはウェスタンでした。カウボーイブーツやカウボーイハット、フリンジのディテールなど、今シーズンはウェスタンスタイルもトレンドの1つとして挙がっています。 ディースクエアードのこのルックもフリンジ使いとバンダナで、あ、これはウェスタンスタイルだなと、わかるわけです。
ウェスタン気分を日常で味わうには
では、バンダナの選び方です。多くの人はごく普通のコットンのバンダナを1度ぐらいは買ったことがあるのではないかと思います。量販店で簡単に手に入る、大判のハンカチです。 しかし誰でも、あれがそれほどおしゃれなものだとは思わないでしょう。 ごく普通の簡単に手に入るバンダナを、よりおしゃれで、モードなものにするにはどうしたらいいでしょうか。
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