ロックTシャツはダサいの?大人がシックに着こなす方法
【モードをリアルに着る! Vol.54/小林直子】
ファッションとロックやポップスといった音楽との相性は非常によく、ロックスターやポップスターのスタイルやビジュアルイメージがひんぱんにコレクションのテーマとして取り上げられます。
このように、いつもどこかのメゾンが誰かしらのスタイルやビジュアルイメージを取り上げ、かつショーの音楽としてロックやポップスを流すと言うのが1つの定型としてファッションの世界にはあります。
それは何を意味するかというと、ファッション業界の、特に作る側の人々は、ロックやポップスをよく聞いているということ、そしてデザインソースとして取り上げるほどに、ビッグファンあるということです。
2018年秋冬コレクションで、このバンドフーディーを最先端のモードで、かつシックに仕上げてきたのがバレンシアガです。
「SPEEDHUNTERS」と書かれたこのフーディー、それらしい男性5人の顔写真がプリントされていますが、このバンドは実在のものではなく架空のものであるとのこと。
背中にはご丁寧にもツアーの日程が年月日と開催地とともにプリントされているという凝りようです。
まさにこれはあの、ライブが始まる前にライブ会場で長い列に並んで買うバンドフーディーです。
さて、ではこんなバレンシアガのバンドフーディースタイル、私たちが真似するとしたらどのようにしたらいいでしょうか。
まずはバンドフーディーやトレーナーを調達しましょう。どこで調達するかというと、ベストはもちろん自分の好きなバンドのライブへ行った際の会場で、それが無理な場合、今は多くのバンドがツアーグッズを通販しているので通販で買いましょう。
ここで気をつけてほしいのは、ぜひとも自分が好きなバンドや、よく知っているバンドのものを選ぶというポイントです。
なぜなら、よく知りもしないのに「今ここのバンドのフーディーやTシャツを着るのがおしゃれ」という浅はかな理由でバンドフーディーやTシャツを選び、尋ねられると、バンドの曲すら聞いたことがないと答えるという姿勢は、何よりも格好悪いからです。
その訳は、そこには自分の着ているバンドに対する愛が感じられないからです。愛はおしゃれの基本です。
取り上げられるのは、古いところではデヴィッド・ボウイやマーク・ボランといったグラムロックのスター、デボラ・ハリーや「パンクの女王」パティ・スミスなど女性ロックスター、80年代から90年代のマイケル・ジャクソンやマドンナ、またスタイルとしては90年代以降のニルバーナに代表されるグランジスタイルです。 また最近ではグッチのエルトン・ジョンルックが記憶に新しいところでしょう。
ファッションの作り手たちはロック・ポップスの大ファン

バレンシアガ「SPEEDHUNTERS」のプリントフーディ ※公式HPより https://www.balenciaga.com/jp/sweater_cod12219588ix.html#/jp/メンズ/スウェットシャツ
しかしそこはバレンシアガ、そんな偽物バンドフーディーを今風のモードで、かつシックなスタイリングで発表しています。 バンドフーディーに合わせるのは穴あきジーンズなどではなくウールとポリアミドの細身のパンツ。そして足元もスニーカーではなくメンズライクな革靴。バッグを除いては全体を黒とネイビーでまとめ、クールなピアスを片方の耳だけにつけるという、今をときめくおしゃれなロックスタースタイルに仕上げています。
自分が好きなバンドのものを選ぶのがポイント
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