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『ちょうどいいブスのススメ』炎上を『ブスの本懐』著者はどう見たか?/カレー沢薫

ブスという取扱い注意な言葉で「天城越え」級に山が燃える

ドラマ『ちょうどいいブスのススメ』。読売テレビ公式サイトより

「女性の共感度は抜群!」「女性としての生き方指南」といった言葉が連発。ドラマ『ちょうどいいブスのススメ』。読売テレビ公式サイトより https://www.ytv.co.jp/choibusu/

 ブスというのはそもそも取り扱い注意な言葉であり、それ自体に嫌悪を持つ人も多いので使うとしても自薦専用に留めた方が良い。  つまり本人が「ワイはブスや!プロゴルファーブスや!」と言っているなら良いが、他人が「お前はブスや」と言ったら、ドライバーで頭を300ヤード飛ばされても文句は言えない。  そんな言葉を全女性捕まえて「お前ら全員ホンマはブスなんやぞ!」と言ってしまったら、天城越(あまぎご)え級に山が燃えるに決まっている。 「女性含め誰もが自分のことは自分で決める」時代において、自発的に思うなら良いが「神」ごときに「お前はブスだ、ちょうどいいブスになれ」と言われ「そうなんだ~!」となってしまうのは、感覚が古すぎる。  よって神にお前はブスだと言われた時点で「俺がブスかどうかは俺様が決める」と神の心臓をえぐり出し「神殺しのブス」が爆誕するストーリーなら炎上しなかったのではないか。

「結局ちょうどいいブスって誰から見てだよ?」=「男から見て」

 このように、一部の女性向けなものを「全女性共感!」というクソデカ主語で発信した上にそれが「ブス」というニトログリセリンワードだったことが炎上の大きな要因だと思う。  そしてもう一つは「結局ちょうどいいブスって誰から見てだよ?」というのが大きな燃料となった。  もちろんこれは「男から見て」である。この「男からどう見られるかで女の幸せ決まる」というのがそもそも古い上、さらにそれが「ちょうどいいブス」という明らかに下に見られている感が余計炎上に繋がったと思われる。  だからこの「ちょうどいいブス」が自分目線、毎日鏡を見て「今日も俺のブスの湯加減最高だな」と惚れ惚れするのが目的、だというのなら燃えなかったと思う。  ただ燃えはしないが見る人もいない気はする。 <文/カレー沢薫> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
カレー沢薫
かれーざわ・かおる 1982年生まれ。漫画家・コラムニスト。2009年に『クレムリン』で漫画家デビュー。主な漫画作品に、『ヤリへん』『やわらかい。課長 起田総司』、コラム集に『負ける技術』『ブスの本懐』『やらない理由』などがある
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