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秋ドラマのベスト俳優3。『今日俺』賀来賢人や『落語心中』からも…

敢闘賞 岡田将生『昭和元禄落語心中』

 最優秀名演賞の前に、今回敢闘賞を贈らせて頂きたいのが、『昭和元禄落語心中』(NHK総合)で主人公・八雲を若年期から老年期まで演じた岡田将生。これは難役でした。  若いときはスッキリと美しくもどこか不安定に、年老いてからは落語界の重鎮らしい風格を漂わせて、孤独を抱えた気難しい人物を表情や声色を変えながらよく演じられていたなぁと思います。  いくつもの落語の演目をプロの噺家として演じきったのはもちろん、見習いから真打ちまで演じ分けていたのもすごかったです。八雲が得意とする演目「死神」の最後のセリフ「ほら、消えた」は、老年期のすっかり円熟したしわがれ声が印象的でした。

最優秀名演賞 賀来賢人『今日から俺は!!』

 最優秀名演賞は『今日から俺は!!』(日本テレビ系列)の主人公・三橋を演じた賀来賢人。コミカルな演技って一歩間違えば浮いて見えるばかりですが、思い切りが良くてまぁ上手い。彼はこのドラマで、コメディでは間違いなく若手のトップに立ったはず。  そもそも、あのアドリブの量と言ったら。おそらく頭をフル回転させながら飛んだり跳ねたり歌ったり、毎回どれだけエネルギーを使っているんだろうと、笑いながらもはや感心してしまいます。バラエティに富んだ“顔芸”とともに楽しませてもらいました。
 でも一番すごいと思うのは、セリフ回しのセンスの良さ。溜めてみたり、サラリと言い放ったり、絶妙なタイミングやトーンで発するから、見ていて気持ちがいい。だから、コミカルなシーンはもちろん面白いし、シリアスなシーンもしっかりキマるのだと思います。
 この秋、あなたを魅了したベストアクターも選んでみては? <文/林らいみ> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
林らいみ
フリーライター。大学院で日本近世史を研究した硬派の歴女。舞台・映画・ドラマが好物。観たい舞台があれば万難を排して劇場に馳せ参じ、好き勝手言っている。たま~に歴史系記事を書く。
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