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“昭和おじさん”のインスタが女性に人気のワケ。岩井ジョニ男「20代から老けてた」

“おじさん”は子どものころから憧れだった

――岩井さんはおじさんになったことをどう感じていますか?
幻の哀愁おじさん

岩井ジョニ男『幻の哀愁おじさん』(文芸春秋)

岩井「やっとおじさんになれました、憧れのおじさんに。僕ね、子どものころからおじさんのやることすべてがかっこいいなって思っていたんですよ。スーツを着ることも、昼間から酒飲んでるとかも(笑)。それで若いころからおじさんの格好をしていたんです。顔も老けていたから、20代前半でも“おじさん”って言われていてうれしかったのですが、やっぱりまだ20代だから、本当のおじさんじゃなかった。  でも今は、階段をダッシュで登れないとか、体のあっちこっちが痛いとか、すぐ眠たくなって夜更かしできないとか、生活している中でもおじさんを実感できることばかりで、『おじさんになれて本当によかった!』って思っています」 ――年齢を実感する現象はネガティブに捉えがちですが、岩井さんはすごく前向きですね。 岩井「無理ができなくなることで、そんなに頑張らなくてもいいんだなって気づけましたから。若いときは、もっと頑張れとかしっかりやれって周りから言われ続けるし、ダメだからこそ小さなプライドで虚勢を張ったり、ちょっとしたことでクヨクヨしたり、いろいろ大変じゃないですか。  でも、おじさんになると、とやかく言われることもないし、身の丈がわかって変なプライドもなくなるし、忘れっぽくなって、ツラいことも何を悩んでいたかも忘れちゃって、生きていくのがすごくラクになったんです。カッコよさや流行を求めたりもしなくなるし、みんなに愛されるのは難しいとわかっているから、気の合う人と生きていくようになったり、おじさんってそういうものかなぁっていう感じがありますね」
――おじさんを実感して、変化などはありましたか? 岩井「昔は、すごく稼いで、いい車に乗っていい家に住んで、ジャグジーで水着の美女とシャンパン飲んで……みたいな漠然とした野望がありましたけど、だんだんと、このくらいしか稼げないとか、スーパーで買った半額の総菜をつまみに家で飲みながら、『これ半額だけどすごいウマいじゃん!』みたいな方が幸せだとか、“自分”がわかってきました。見栄=幸せでも何でもないって気づいたんですね。  自分がどういう人間かわかると自然体でいられるようになって、そのうち後輩に頭を下げたり、妻や子どもにも気を遣えたりするようになって、いろいろなことが許せるようにもなりました。今日も(インタビューに)マネージャーが来ないんですけど、まぁしょうがないかって思っています(笑)」 岩井ジョニ男さん 老化現象も喜びに感じるという岩井さん。自然体で過ごす“おじさん”だからこそ、インスタグラムでも人気を集めたのかもしれません。とはいえ、「等身大の自分」を受け入れるのはなかなか難しいもの。そこで次回は、加齢や現実の自分を受け入れる方法をお聞きしてみたいと思います。 <取材・文/千葉こころ> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
千葉こころ
ビールと映画とMr.Childrenをこよなく愛し、何事も楽しむことをモットーに徒然滑走中。恋愛や不倫に関する取材ではいつしか真剣相談になっていることも多い、人生経験だけは豊富なアラフォーフリーライター。
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