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ユニクロ、ZARA、H&Mの強みと弱みの活かし方。GAPは中途半端/バイヤーMB

 ファッションバイヤーのMBです。  先日、「GAPはもうアウト?原宿・渋谷から撤退、アメリカでも絶不調なワケ」という記事で、コメントをした通りですが、GAPが経営難に苦しんでいます。
GAP

いつもセールのイメージがあるGAP

 ファストファッションの製造小売業(SPA)を最初に打ち出した元祖は実はGAP。1980年代にこのビジネルモデルを確立し現代まで牽引してきたアパレルビジネスのトレンドセッターでもあったわけですが・・・現在は一転しています。  2017年に、米GAPが3年間で200店舗の一斉閉店を発表(一部バナナリパブリック店舗も含む)、廉価ブランドであるオールドネイビーはわずか4年で日本撤退と、さんざんな状況です。

好調なヨーロッパ勢と、不調続くアメリカ勢

 上述の記事にもある通りですが、アメリカのファストファッション勢は駆逐(くちく)されつつあるのが現状です。GAPもそうだし一時期は誰もがTシャツを買っていたアバクロも現在はほぼ全く見かけないレベル。イオンモールなどでも見かけるアメリカンイーグルも業績はかんばしくなく、一時は話題だったアメリカン アパレルも2017年に破産法適用。  他方でZARA、H&Mなどのヨーロッパ勢は破竹の勢いで売上を拡大しています。この差は一体どこにあったのか。

ZARAやH&Mは、最新トレンドが3週間で店舗に

 ZARAやH&Mはとにかくトレンド感が強い。この2ブランドのせいで閉店に追いやられたレディース店舗は全国津々浦々多々あるでしょう。
ZARA

東京・銀座のZARAは、にぎわっている

 私もイオンモール内のレディース店マネジメントの仕事をしていた際に痛い目に遭いました。イオンモールなどの大規模SCは「買い回り店舗データ」があります。例えば自店で購入してくれたお客様がそれ以外にどこのお店で買ってるかが一客単位で出せるのです。売上が徐々に落ち始めた時に買い回りを見てみると、どのお客様も皆ZARAで買ってることが判明。  どんなもんだ・・・とZARAに視察に行くと、トレンド最先端であるはずの自店の商品と同じようなデザイン同じような素材感で半額程度で出しているのだから驚き。思わずサジを投げそうになりました。  ZARAやH&Mなどの強みはその企画力とスピードの速さにあります。パリやミラノで発表された最新トレンドを素早くコピーし商品化できる。企画から世界中の店舗に並ぶまでわずか3週間程度とされています。極端なことを言えばパリコレのショーで発表された洋服など本家ブランドよりZARAの方が発売が早かったりするわけです。しかも値段は安く素材もそこそこ、これじゃ勝てるわけがありません。

ユニクロは真逆で、10年売れる定番もの

 他方ユニクロはどんな戦略かと言えばZARA、H&Mと真逆。トレンドよりも10年売れる定番モノを開発するのが彼らです。ヒートテック、エアリズム、フリース、スーピマコットンTなど数あるユニクロの定番品は10年単位で売られているものも少なくない。1年以上の開発期間をかけて10年愛されるものを開発し、できるだけ長く同じものを販売し、数量を高め単価を抑えるビジネスモデルです。  ZARAやH&Mと比べて1型あたりの数量がとても多いため値段の割に品質が極上に出来る、しかしその分トレンド感が少ないのが欠点ではあります。
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ファストファッション、どう使い分ける?
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