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『わたし定時で帰ります』にアメリカ人びっくり。“働き方”米国はホントに楽なの?

 6月19日付けの『ニューヨーク・タイムズ The New York Times』で、TBSドラマ『わたし、定時で帰ります。』が取り上げられ、過労死や過労による自殺があとを絶たず、長時間労働が美徳とされる日本の社会構造が紹介されました。  今回の記事で多くのアメリカ人が、単に定時で帰ることがドラマのテーマになり得る日本人の働き方に衝撃を受けたようですが、日米ではそんなにも違うものなのでしょうか?

仕事さえしっかりやってくれれば遅刻や早退も気にしない?

 出張や駐在でアメリカにやって来る日本人会社員から、よくこんな意見を聞きます。 「現地スタッフは、定時になると作業が途中でもさっさと帰ってしまうからびっくりしますよ。しょうがないから代わりに終わらせておくと、彼らが翌朝出社してきたときにすごく嫌な顔をされてしまうんですよね」  一般的に、アメリカでは定時で帰ることに対してなんの障害もありません。金曜になると朝から週末気分になってしまっているのか、通常よりも1時間以上早く退社して遊びにでかける人も少なくなく、帰宅ラッシュが15、16時から始まる地域もあると聞いています。
住宅街 帰宅する女性 仕事、会社

写真はイメージです(以下同じ)

 もちろんこうした行動が許されるのは、プロジェクトが予定通り進んでいることが条件。前提として「仕事さえきちんとしてくれていれば、多少の遅刻や早退は気にしない」というのがアメリカの働き方。なんなら「今週は仕事が落ち着いているので、有給休暇を取って金曜から3連休にします」という会社員もいます。  実際、筆者の勤めていたオフィスはかなり融通が効き、定時帰宅は当たり前、上司にあらかじめ話しておけば在宅、遅刻、早退なんでもござれ。私もかなりの頻度で3連休を取っていました。  本当にやる気のないアメリカ人も中にはいるため、一概には言えませんが、先に挙げた例の現地スタッフは「作業途中で退社しても業務上差し障りはないと判断した」ということも十分考えられます。  その作業をしなくても1週間は支障がないなら、そのままバケーションに行ってしまうことだってあるかもしれません。それだけ、雇い主から与えられた権利である有給休暇を従業員が取るのは当然のこと。仕事をしっかり終わらせておけば、誰も文句なんて言いません。

アメリカにもブラック企業!?「オーバータイム規制」って何?

 一方で、『ニューヨーク・タイムズ The New York Times』の記事に対して、「アメリカだって同じだ」という反論意見も見受けられました。  先ほど“一般的”とあえてカッコ付きで書いたのは、業種や立場によっては日本と同じように時間外労働を強いられている会社員も一定数存在しているからなのです。  実は米国には、一定以上の年収をもらう管理職や専門職員が時間外労働をしても企業側は残業代を支払わなくてもいいとする「オーバータイム(残業)規制」というものがあります。 会社会議職場ミーティング 米国版『ビジネス・インサイダー Business Insider』によると、もともと「オーバータイム規制」は低収入で働く従業員に対し、雇い主は残業代を支給しなければならないという勤め人を守るための規制でした。  しかし、低収入の基準値として設定された2万3660ドル(約255万円)が過去15年間変わらず、本来とは真逆の「企業に都合のいい規制」に変わっていってしまったよう。施行された70年代には65%の会社員を保護していた規制も、現在はわずか7%の会社員しかカバーできない状況になっています。  例えば、筆者がブラック企業の社長だったとして、忙しい部署の誰かに「アシスタントマネージャー」という肩書を与え、最低年収の2万3660ドルを支払えば、残業代を払わずにこき使うことができるというわけです。  先日、ワシントン州の『シアトル・タイムズ Seattle Times』は、2026年までに国が定めた基準値の2.5倍までに引き上げる独自規制を施行すると発表した州労働省の英断を紹介。クリスマスシーズンのストアマネージャーや、研究機関に勤めるリサーチャー、建築現場の主任などが、低すぎる基準値のせいで過酷なサービス残業を強いられてきた実態をレポートしました。
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実は有給制度を国が定めていない唯一の先進国
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