
挙式を終え、披露宴が始まります。祝辞、乾杯などが済み、食事歓談中のときのこと。メインテーブルで新郎が新婦の耳元で何かを囁いた瞬間を、私は見逃しませんでした。その後、新婦はとてもすてきな笑顔に。当日撮影していたカメラマンも、「今、新郎が新婦に何か言ったね。きっと『いいこと』なんじゃないかな」と、私に話しかけてきました。
披露宴が無事に済み、お見送りの際、新郎が駐車場まで車を取りに向かわれ、私と新婦がふたりになる時間がありました。そのときに新婦が「ご迷惑おかけしました。でも、彼とがんばってやっていけると思います。彼、披露宴中に私に『
絶対幸せにするから』って言ってくれました」と、とても嬉しそうに話してくださいました。
その瞬間は見ていたので、なんとなく予想はついていましたが、「え! そうなんですか! よかったですね!」と知らないフリをして、いっしょに喜びました。なんだか、あの瞬間はふたりだけの大切な時間だと思い、安易に「見てましたよ!」と言ってはいけない気がしたからです。
どんな方も、マリッジブルーになってしまう可能性はありますが、それでもお互いを思いやる気持ちが、結局は解決の糸口になります。しかし、結婚式はゴールではありません。ここから二人の生活は続いていきます。結婚式までの新郎の様子を考えると、新婦を幸せにできるのか……と不安や疑問がよぎります。新郎には新婦から見放されないよう頑張ってほしいですし、「ずっと二人で幸せに過ごして欲しいな」と願わずにはいられません。
<文/長谷川真美>