故フィリップ殿下、ヘンリー王子夫妻の告発に「狂気の沙汰」と漏らしていた
今月9日(現地時間)、イギリスのエリザベス女王の夫、フィリップ殿下が逝去した。英王室は、葬儀は17日に執り行われ、英王室を離脱したヘンリー王子も参列することを発表している。フィリップ殿下は生前、ヘンリー王子とメーガン妃の行動に失望していたともいわれ、特に夫妻が英王室について語ったインタビュー番組については「狂気の沙汰」と周囲に漏らしていたという。
率直な物言いでも知られたフィリップ殿下。歯に衣(きぬ)着せぬ発言がときには「失言」として波紋を呼ぶこともあったが、その飾らない人柄は多くの人々に親しまれた。
2017年に公務を引退後、公に姿を見せることも減り、ヘンリー王子とメーガン妃の王室離脱をめぐる騒動が起きた際も陰で状況を見守っていたようだ。フィリップ殿下の伝記を執筆した作家ジャイルズ・ブランドレス氏が、このたび英タブロイド紙『デイリー・メール』に明かした。
ブランドレス氏によると、フィリップ殿下は生前、ヘンリー王子夫妻の王室離脱やアメリカ移住に落胆していたものの、最終的には孫の気持ちを受け入れていたという。自分の思い通りの人生を送りたいという孫の望みに一定の理解を示し、メディアから執拗に批判されたことについても同情的だったそうだ。けれども、3月に米TV局が放送した夫妻のインタビュー番組には失望し、番組の中で夫妻が語った内容にうんざりしていたという。
「殿下に近しい人から聞きましたが、殿下はオプラ・ウィンフリーによるメーガン妃とヘンリー王子のインタビュー番組は狂気の沙汰で、ろくな結果にならないとお考えだったそうです」
「それを聞いて私は驚きませんでした。1990年代にチャールズ皇太子とダイアナ妃のテレビインタビューについて、彼が私におっしゃったことと全く一緒ですから」
フィリップ殿下が入院中に同番組がオンエアされたことで、世間から厳しい非難を受けたヘンリー王子夫妻。だが、ブランドレス氏はこう語る。
「ご自身が入院中にメーガン妃とヘンリー王子のインタビューが放送されたことを殿下は気にされていませんでした。心配されていたのは、2人が自身の問題を最優先させ、それを公で熱心に話したことです」
そして、英国王室のメンバーが私生活について公に話すことに不快感を覚えていたそうだ。
「テレビのインタビューを受けても、自分自身については話さないこと、それが殿下のルールの1つでした。それを子供たちにも伝えていました。孫たちにもそうしていたはずです」
フィリップ殿下からも厳しい視線を向けられていたというヘンリー王子とメーガン妃。訃報が伝えられた直後には、夫妻が立ち上げた「アーチウェル財団」のウェブサイトに追悼メッセージを掲載し、亡き祖父を偲んだ。また、葬儀に出るかどうかにも注目が集まっていたが、結局はヘンリー王子のみ参列し、妊娠中のメーガン妃は米国に残ることになったと報じられている。
17日午後3時(現地時間)から行われるフィリップ殿下の葬儀は、故人の遺志により、国葬ではなく小規模な式になる見通し。新型コロナウイルス感染対策により参列者は30人に制限され、葬儀の様子はテレビ中継される。英王室はオンライン芳名帳を用意して、葬儀に参加しないよう国民に呼びかけると同時に、「弔問の献花をする代わりに慈善団体への寄付を検討して欲しい」としている。
<文/BANG SHOWBIZ、女子SPA!編集部>
エリザベス女王を約70年以上にわたり支え続けた
今年2月に体調を崩して入院し、感染症と心臓の既往症の治療を受けたフィリップ殿下。約1か月の入院を経て、3月には退院してウィンザー城に戻っていたが、今月9日朝、フィリップ殿下がウィンザー城で静かに息を引き取ったことが発表された。 ギリシャの王族として生まれたフィリップ殿下は、幼い時に祖国のギリシャを離れ、のちに英海軍に入隊。1947年に即位前のエリザベス女王と結婚し、1952年にエリザベス女王が即位した後は軍を除隊した。それから約70年にわたって公務に専念し、すべての海外訪問にも同行してエリザベス女王を支え続けた。 1997年に結婚50周年を迎えたエリザベス女王は、フィリップ殿下についてこう述べている。 「彼は長年にわたり、私に力を与え、支えとなってくれました。私も、家族も、そしてこの国と他の国々も、彼に負うところはとてつもなく大きいのです」 自分を支え続けてくれた夫への最上級の感謝の言葉。フィリップ殿下が亡くなった直後、この言葉はエリザベス女王の追悼メッセージとして、英王室のインスタグラムに投稿された。