『エルピス』は「見たことがない最終回になる」。佐野プロデューサーは語る
実在の複数の事件に着想を得た渡辺あやさん脚本×長澤まさみさん主演の『エルピス-希望、あるいは災い-』(月曜夜10時~、カンテレ制作・フジテレビ系)が、12月26日、いよいよ最終話を迎えます。
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本作は、佐野亜裕美プロデューサー(佐野P)がTBS在籍時の2016年に、脚本家の渡辺あやさんに出会い、企画がスタート。紆余曲折を経て冤罪というテーマが出てきたものの、TBSでは却下され、佐野PがTBS退社→カンテレ入社…という複雑な経緯によって実現した作品です。
そこで、最終話を目前に、佐野Pにインタビュー。本作実現への道筋や作品に込めた思いなどを改めて聞きました。
<大手テレビ局のアナウンサー・浅川恵那(長澤まさみ)と、新人ディレクター・岸本拓朗(眞栄田郷敦)は、あるきっかけで連続殺人事件の冤罪疑惑を追い始める。だが、真犯人を隠そうとする大物政治家の影がチラつき、局は腰が引けてスクープを潰しにかかる。
また、恵那が想いをよせる元恋人・斎藤正一は局を辞め、その大物政治家の右腕になっている。最終回で、恵那は事件の真相を報道するのか? 果たして人は、「正しいこと」のためにすべてを捨てられるのか――?>
――いよいよ最終回ですが、ネタバレを踏まない程度に見どころを教えて下さい。
佐野亜裕美(以下 佐野):もともと最終回をどうするか決めずに作っていたので、最初に最終回の初稿を読んだときはびっくりしたし、戸惑った部分もありました。でも、見たことのない、この終わり方で良かったと思える最終回になっていると思います。
鈴木亮平さんは「この最終回を演じたかったから、この仕事を受けた」と言ってくださって。
――すごく楽しみです!
――振り返ると、『エルピス』には、心に残るセリフがたくさんありました。
最初は頼りないボンボンだった岸本の成長ぶりが胸アツですが、序盤で彼が恵那に言った「覚悟はないけど手伝いたい」という言葉が印象的です。
覚悟はないけど、ちょっと良いこと、ちょっと正しいことをしたいというのは、私たち視聴者の多くが抱える思いでもあります。
佐野:セリフについて私から具体的なオーダーをすることはないので、セリフが生まれた背景は推察するしかないんですけど……たぶん最初にドラマを書いてほしいとあやさんにお願いした頃のことが、背景にあるのではないかと思います。
あやさんから、厳しいお叱りのメールをよくいただいていたんですよ。私の自信がなさすぎることに対して、「自信は、向き合う相手のために持つものだ」と言われたんですよね。
自信がないからといって、「微力ながらがんばります…」みたいに言うのは、無責任で、相手に対して失礼だと。その辺から来ているのかなと思います。
鈴木亮平は「この最終回を演じたかった」
数々の“エルピス名言”はどうやって生まれた?
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