二元論のワナに絡め取られているのは、男性だけじゃなく女性も、ではないでしょうか。僕はそんな気がしています。 　相談文を読む限り、あなたは勝ち負けの考えを無意識に持っています。深読みかもしれませんが、あなたはセックスを男性からの攻撃と捉えていますから、暴力性を持つ勝ち負け思考になっている分根が深いかもしれません。勝ち負けじゃない考え方をあなたも知らないのではないでしょうか。 　僕たち男が悪いと自覚した上で言いますが、男性だけが悪いのではない。正確には男も女も、誰も悪くない。ただ知らないだけです。だから、プライドとか、攻撃とか、勝利とか言わないでください。セックスをするほど密な関係の相手とそういった次元で言い合いをしたくないです。勝ち負けの考え方しかできないけど、本当は仲良くしたいです、彼もきっと。 　そこで、僕からの提案です。セックスをするときには、快・不快だけで物事を考えていくようにしてみてください。それだって二元論じゃないかと思われたかもしれませんが、今まで出てきた二元論との違いは、それが言語による思考的判断か、言語化できないレベルでの直感的判断かです。 　もっとわかりやすく言えば、言葉を覚える前の赤ちゃんがしている判断か、言葉で物事を考える大人がしている判断かです。思考的判断にあって直感的判断にないのは、意味や価値です。セックスに意味や価値を持ち込まないように出来ればいいのです。 　何事も意味や価値で考える言語的思考が身に付いている僕らには難しいことですが、そこを忘れて直感を大切にします。そうすると相談の1～3全てが解決します。 　勝ち負けじゃなく、気持ちいいか気持ちよくないか次第で途中で止めることもある。途中で止めてもそれは負けじゃない。逃げでもない。自分に素直になって休むだけ。休まないで貫徹出来ることに意味はないから、優劣も、偉い情けないもない。 　ただ単に体調や気分の問題でどちらかが悪いとかもない。むしろ気持ちよくないのに頑張ったり、我慢するのはどちらにとっても快じゃない、嬉しくない、楽しくない。