東京帝国音楽学校の声楽科の音のクラスメイトでライバル・夏目千鶴子(小南満佑子・こみなみ まゆこ)。といっても、最年少で帝国コンクール金賞に選ばれるほどの実力の持ち主で「ミス・パーフェクト」と言われる彼女と音の技術の差は歴然。

夏目千鶴子(小南満佑子)(C)NHK
しかも、単なる才能ではなく、周りとは一切馴れ合わず、昼休み中なども黙々と一人で勉強し、誰よりもひたむきに努力を続ける、ストイックかつ孤高の存在です。
そんな夏目さんに対して、わざわざ本人のところに行き、「才能があって羨ましい」などと言えてしまう音=二階堂ふみの天性のヒロイン的図太さは見事。そして、音に対する夏目さんの「
才能って言葉、私は大嫌い。努力もしないで羨む人、理解できない」「音楽も家庭も友達も恋愛も、何でも欲しがって手を伸ばす。
あなたみたいな強欲な人に、私は負けるわけにはいかない」という発言は正論かつ名言。
努力をしても多くは報われないのが現実とはいえ、「才能」と呼ばれるものの裏にはたいてい並外れた「努力」があるもの。『ガラスの仮面』の姫川亜弓を思い出させる、努力+才能のストイックキャラにしびれた視聴者は多かったことでしょう。
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<文/田幸和歌子>