とはいえ、この抵抗感は、別に「おじさんだから」「年の差があるから」ではありません。
メイが求めていたものが、「家に帰ったら美味しい料理があって、掃除も洗濯もやってくれて、自分の気持ちもわかってくれて、頑張りを認めてくれて辛いときには支えてくれてるお母さん」だったためです。
ナギサさんもまた、「プロだから」メイの下着を洗濯し、たたんでいたわけです。
金銭を介した信頼関係で成り立っていたところから、しかも「お母さん」を感じてしまっていた信頼関係から、「恋の相手」に変わるのは、ちょっと相手の信頼を裏切る行為に思えますしやっぱりどう考えてもちょっと気持ち悪い。
『逃げ恥』はスタートが「契約結婚」で恋愛対象内だった

『逃げるは恥だが役に立つ』
最終回の「お試し新婚生活」は『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系列 以下『逃げ恥』)を思わせる部分もありますが、みくりと平匡は契約結婚であることを世間に見破られないために親密感を高めようと「ハグの日」を設けるなど、不器用なりに一歩一歩近づいていました。
理性という縛りのキツイ大人同士の心の壁が取っ払われ、関係性が近づくにはやっぱりそれなりの時間が必要です。
それに、『逃げ恥』はそもそもスタートが「契約結婚」だっただけにもともと客観的に恋愛対象内にいるわけですから、心情変化にはさほど無理はないはずです。
でも、『わたナギ』の場合は、やっぱりちょっと違います。
メイは明らかにナギサさんの過去などを気にしていて、それを探るうちにグイグイ惹かれていっているのはわかりましたが、それにしてもやっぱり「プロとして下着を洗濯していた異性」が夫になるのは……心理的障壁はあります。