次のブーム、レトロ可愛い“おじいちゃんニット”ことグランパベストが来る
完全に市民権を得た「ダッド(Dad)スニーカー」。このスタイルが登場した2017年当初は、お父さん世代が履いていたようなレトロなシルエットが話題になったものですが、今年はそんなダッドスニーカーの先を行くレトロアイテムの復活が予測されています。
欧米メディアを賑わせているお爺ちゃん世代のベスト、「グランパ(Grandpa)ベスト」とは一体どんなものなのでしょうか?
日本でもシニア世代の男性がよく着ている印象のある前開きVネックのニットベスト。
「おじいちゃん」「ベスト」でネット検索すると格子柄やチェックのニットベストが上位表示されますが、それこそが2020年以降、ファッション界を席巻することになるかもしれないと言われている「グランパニット」です。
お爺ちゃん系ファッショントレンドは1年前から始まっていた!?
『デイリー・メイル Daily Mail』によれば、2019年にデンマークブランドのガンニやスティーヌゴヤが若者世代向けにデザインをアップデートしたニットベストを発売したことが、このブームの先駆けだとか。 昨シーズンから既に「グランパ」、つまり「お爺ちゃん」が履いているようなグレーや茶、ベージュなどの地味色でルーズフィットスタイルの「グランパパンツ」が注目を集めており、レトロなカーディガンやアンクルブーツ、ブレザーなどと合わせて、ヌケ感のある着こなしを楽しむ若者が増えていたといいます。
「グランパベスト」もその流れで出てきたアイテムで、当時はまだ「セーター(sweater)ベスト」という呼び名でしたが、グッチやプラダ、ディオールといった名だたる有名ブランドの2020年秋冬コレクションにも登場。 ワン・ダイレクションのハリー・スタイルズやスーパーモデルのエルサ・ホスクなどスターたちがスタイルに取り入れたことでさらに話題になり、『GQ』や『コスモポリタン Cosmopolitan』が2020年のトレンド予測にその名を挙げたのです。
ミニスカコーデからルーズスタイルまでSNSを賑わす新トレンド
すると、トレンドに敏感な若者たちが自分流の「グランパベストコーデ」をSNSに投稿。 『メトロ metro』英国版によると、一時はティーンがオーバーサイズの「グランパベスト」を超ミニのテニススカートと合わせるスタイルがTikTok上でトレンドになり、ハッシュタグ「#sewatervest」には大量の着こなし術が投稿されたとか。 また、インスタグラムには、ファッション系インフルエンサーが、プリーツスカートやダメージジーンズ、バギーパンツといったアイテムに、オーバーサイズの「グランパベスト」をルーズに合わせたスタイリングを投稿。コメント欄には、「有名ブランドの高級品ではなく、ヴィンテージショップやリサイクルショップで見つけるのがベスト」という意見が目立ちます。
「グランパベスト」は暖かく快適で、袖がないため温度調整しやすく、ちょうど今くらいの季節の変わり目にも最適なアイテム。 短めからオーバーサイズの分厚いニットまで様々なタイプがあり、シンプルなTシャツと合わせても、ボタンダウンシャツの上に着てプレッピースタイルとして着てもサマになる優秀アイテムです。 まずは古着屋巡りから始めても、余裕のある人はラグジュアリーブランドの商品にチャレンジしてみても。お爺ちゃんファッションを自分なりに取り入れて、秋冬を暖かくオシャレに過ごしてください。 Sources:「Daily Mail」「GQ」「Cosmopolitan」「metro UK」 <文/橘エコ> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
橘エコ
アメリカ在住のアラフォー。 出版社勤務を経て、2004年に渡米。ゴシップ情報やアメリカ現地の様子を定点観測してはその実情を発信中。