Gourmet

フォアグラ大根、鶏だしおでんetc. 新感覚おでんで、ほっこり秋の夜

鶏だしの白い煮汁で味わうジューシーなおでん

S級グルメ

鶏だしおでんさもんの大根

 またありそうでなかった「鶏だしおでん」に特化するのが、4年前に中目黒駅高架下にオープンした「鶏だしおでんさもん」だ。  カウンターの真ん中に鎮座する、特大おでん鍋を覗き込むと、見渡すかぎりの白色。厳選した銘柄鶏の鶏ガラと手羽先に香味野菜を合わせて煮込んだ白濁のスープが特徴的で、ちくわ、鶏つくね、海老しんじょなど定番のおでんだねを煮込んでいる。  一番人気は、やはり大根。鶏の滋味が溶けたスープはまろやかだが、しっかりと脂の旨味がある。この脂質が適度に大根の表面をコーティングし、噛み締めた途端、口の中にジューシーなおいしさが広がる。大根は煮込んだ後、必ず一晩寝かせて提供するというから、鶏だしの味もよく染みている。  これに合わせるなら、やはり日本酒。フルーティな味わいの純米吟醸の燗酒なら、大根の新鮮な味わいに寄り添ってくれるだろう。また大根は季節ごとに産地を替えるこだわりようで、冬にかけて旬の三浦大根が入ってくる。 「ウチは名古屋発祥のお店なので、テーブルには辛子以外に、八丁味噌もスタンバイしてます。大根やはんぺん、がんもどきなどに合わせると、より酒がすすみますよ」と店長の小川陽さんが、アドバイスしてくれる。

厳選した銘柄鶏を鶏だしで煮込んだ鶏串おでんも

S級グルメ

特選鶏串おでんは、もも、ねぎ間鶏むね、ぼんじり、手羽先など7種。1本260~300円(税込み)

 また厳選した銘柄鶏を鶏だしで煮込んだ鶏串おでんも、こちらの名物。焼き鳥をつまむ感覚でパクつけるため、あっさりした後味で部位ごとの味わいの違いも存分に楽しめる。ももはとろけるほどジューシー。三角軟骨の骨まわりの身のやわらかさは、焼き鳥では体感できない味わいだろう。他にもポテトサラダは、おでんのじゃがいもを注文ごとにマッシュして提供する一品で、クリームチーズと明太子の濃い味つけが酒飲みにはたまらない味わいだ。  おでんを「煮込む」という概念で考えれば、バリエーションは大きく広がる。以上の2軒を参考に、この秋は暖を求めて、自分だけのおでん店を探してみては。 ▼鶏だしおでんさもんの大根 白濁した鶏だしに、大根が鎮座する外見が唯一無二。みずみずしさを楽しむのもいいが、八丁味噌でこってりといただくのもよし。飲み物は日本酒のほか、サワー、ハイボールも人気。290円(税込み)
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おでんの歴史は変化の歴史?
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●「S級グルメ」東京を中心としたS級なグルメ情報/インスタグラム tokyofood_srank

●クインテット
東京都墨田区錦糸2-6-3
営業時間:12〜15時、17〜24時(23時L.O.) 無休
フライドチキンに生パスタ、ピッツァにステーキなど、定番の洋食も取り揃えるバール

●鶏だしおでん さもん
東京都目黒区上目黒3-5-31中目黒高架下
営業時間:16時〜翌3時(翌2時L.O.) 無休
〆はおでんやの名古屋コーチン卵かけごはん700円を。※22時以降は10%割増料金

※新型コロナウイルスの影響により、営業時間や定休日が変更になっている可能性があります。最新情報は店舗にお問い合わせください。
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