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マグロ、ぶり、カニ……海鮮しゃぶしゃぶが冬にぴったり

 しゃぶしゃぶといえば、肉が王道。しかし最近は、上モノの魚介ネタをしゃぶしゃぶさせる店が評判という。おまけにリーズナブルゆえ、厳冬に暖をとる手札にしよう。

体も温まる!冬の定番「海鮮しゃぶしゃぶ」

S級グルメ

浅草 魚料理 遠州屋の「海鮮盛り合わせしゃぶしゃぶ」奥から時計回りに、宮城・気仙沼のマグロ、タイ、外房・伊豆半島の地きんめ鯛、カンパチ、中央にズワイガニ

 ’21年が明けて以来、寒波で寒い日が続いている。体の芯から温まるなら、やはり鍋料理だろう。具材を煮込む定番の寄せ鍋もいいが、魚介をサッと出汁にくぐらせる、海鮮しゃぶしゃぶも冬にはちょうどよい。  まずは田原町駅にほど近い場所にある、創業55年の大衆割烹「浅草魚料理遠州屋」(緊急事態宣言により、2021年2月7日まで臨時休業)。二代目の安喰伸明さんは、魚の専門書『魚の事典』の監修を務めるほどの知識を持つ御仁で、毎朝、夜も明けぬうちから豊洲市場へ買い付けに向かう。  ほかにも全国から直送される旬魚を揃えていて、なんと魚のつまみだけで約200種。冷凍モノを一切使わない「まぐろのぶつ切り」が750円(税込み)と、お財布にもやさしい。 「『魚料理遠州屋』は、まぐろ料理が自慢です。昭和41年の創業時はタクシー2㎞の初乗り料金(当時は100円)より安い80円で、ぶつ切りを出していました。『安すぎる』とお客様に心配していただくこともあります(笑)」(安喰氏)

出汁にくぐらせることで表面に膜ができ、旨味が閉じ込められる

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マグロの赤身をしゃぶしゃぶしたら、加熱した白髪ネギを巻いて、自家製ポン酢と一緒に食べる

「海鮮盛り合わせしゃぶしゃぶ」の具材にも、デフォルトでまぐろが入る。刺し身で食べてもおいしい赤身を昆布とかつおの出汁に浸して、色が変わるまで待つこと10秒。引き上げて、門外不出の自家製ポン酢につける前に、まず、そのまま食べる。  ほんの少し噛むだけではかなくほどける赤身は、人肌程度に温かく、食感も柔らか。脂の旨味も、ツーッと舌を伝わっていく。数秒、出汁にくぐらせるだけで、これほど味が変わるとは驚きだ。 「場所柄、海外のお客さまも多いので、生の魚に対する抵抗感をなくしてもらおうと海鮮しゃぶしゃぶを始めました。また出汁にくぐらせることで表面に膜ができ、魚介の旨味が閉じ込められます」  この日はまぐろに加え、地きんめ鯛、鯛、カンパチ、ズワイガニの魚介5種が盛り合わせに。「外房と伊豆半島で獲れたきんめだけが、『地きんめ鯛』を名乗れます」と安喰さんは解説する。  地きんめ鯛からはコク深く甘い脂が溢れ出し、高級魚だけあって、みずみずしくも端正なおいしさ。鯛とカンパチは、しゃぶしゃぶにすることで、白身の旨味が際立つ。ズワイガニも頬張ると、まさしく冬の美味三昧で、熱燗を煽るスピードも上がる。これで一人前3800円(税込み)というから、これぞ大衆割烹の矜恃だろう。 ▼浅草 魚料理 遠州屋の「海鮮盛り合わせしゃぶしゃぶ」 盛り合わせの魚介ネタは、宮城・気仙沼のマグロ、タイ、外房・伊豆半島の地きんめ鯛、カンパチ、ズワイガニ。盛り合わせの魚介は、仕入れで変わる。1人前3800円(税込み)
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出汁と自家製ポン酢で天然ぶりの旨味を堪能
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●「S級グルメ」東京を中心としたS級なグルメ情報/インスタグラム tokyofood_srank

●浅草 魚料理 遠州屋
東京都台東区寿2-2-7 遠州屋
営業時間:11時30分~14時、17時~22時30分LO 日曜、祝日定休
天然本クエの鍋も人気。天ぷらや煮付けといった定番の肴も揃う

●能登美 新橋店
東京都港区西新橋1-12-6 富士アネックスビル 5F
営業時間:15時~22時30分LO 無休
夏は七尾湾の小ぶりなぶり、天然がんどを提供。自家製のタレにつけ、炙って食す

※新型コロナウイルスの影響により、営業時間や定休日が変更になっている可能性があります。最新情報は店舗にお問い合わせください。

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