『わたし史上最高のおしゃれになる！』『お金をかけずにシックなおしゃれ』などの著書があるファッションブロガー小林直子さんが、愛用しているアイテムをご紹介します。 　日本のファッション誌で「定番」と呼ばれるアイテムがいくつかあります。白シャツ、白Tシャツ、バイカージャケットなどなど。そして今回取り上げるトレンチコートも「定番」の常連です。では、「定番」とは一体どんなものなのでしょうか。 　デジタル大辞泉で「定番」を調べてみると、「（安定した需要があり、台帳の商品番号が固定しているところから）流行に左右されない基本的な商品。」とあります。ポイントは「流行に左右されない」でしょう。 　では、定番商品は本当に流行に左右されないのでしょうか。答えは、左右されない部分と、左右される部分がある、です。 　左右されない部分は、デザインの基本的な部分です。トレンチコートでいえば、袖口とウエストの共布ベルト、肩章、飾りのDカン等のデザインデティールを持つロング丈、またはショート丈のコートという部分。これらの特徴は、それこそトレンチコートが発明された第一次大戦のころから、多少のアレンジはあるものの、変わってはいません。 　一方、左右される部分は何かというと、それはシルエットです。ある程度長く生きていらっしゃる皆さんはお気づきだと思いますが、流行には大きく分けてタイトシルエットが流行るときと、ビッグシルエットが流行るときがあります。途中、気まぐれのように、タイトでもビッグでもない、中庸のシルエットが流行ったりしますが、その期間は長く続かず、振り子のようにタイトからビッグへ、そしてまたタイトへと大きく振れるのが通常です。 　定番と言われる白シャツ、白Tシャツ、バイカーはジャケット、そしてトレンチコートも、この流行のシルエットに大きく左右されます。だからこそ、ファッション誌が飽きもせず毎年取り上げても、常に新しいシルエットのものが登場するので、ネタとして使えるというわけです。