そうはいっても、トレンチコートです。もちろん出しているブランド、そして値段の幅はピンからキリまであります。けれども、いい年の大人にふさわしい、ある程度クオリティの高いものを買おうとすると、なかなか高価なものであり、肌着のようにしょっちゅう買い替えるというわけにはいきません。
また、これはここ数年の日本の気候によるものなのですが、高価なトレンチコートを買ったとしても、1年のうちに着る機会はそう多くはありません。
なぜなら、コットンギャバジン素材のトレンチコートは、日本の冬に着るには素材が薄くて寒すぎであり、かといって、梅雨の時期に着るには蒸し暑く、長時間着ているのがつらいほどだからです。ここ最近の関東地方の天気で、トレンチコートに適した時期はとても短く、1年間のうち2か月もあればいいところでしょう。

1年のうちに、着る機会はそう多くはないから…
(※画像はイメージです)
いいものを買おうと思えば高価である、しかも着る時期はそう長くない。私にとってトレンチコートとは、好きだけれども、長く一緒にはいられない、付き合ってはいけない相手のような、そんな微妙な存在でした。そのため、20代に1度、西武デパートのセールで買ったことがあるきりで、その後、ずっと買うこともなく過ごしてきました。
だけれども、ファッションについて考えたり、書いたり、見たりしていると、たまにはトレンチコートを着てみたいな、と思うことも事実。ずっとキープしなくてもいい、ただたまに着てみたいだけ。そんなときはどうするか。そんなときは誰かに借りればいいのです。しかも身近に持っている人がいるのなら、その人が着ないときに借りればいいでしょう。