カサンドラのパートナーの多くは、自分に発達障害傾向があることを自覚していません。仕事や社会に対応できていると、本人は“困り感”を抱えることがなく、自覚にはつながりにくいのです。

仕事や社会に対応できている場合、本人は“困り感”を感じないことも
「ご相談の中では、パートナー本人に発達障害の自覚がなく、医療機関を受診しないというお悩みを多くいただきます。その場合、
医療機関に連れていくことが非常に難しく、無理に連れていこうとしたところで余計関係が悪化して逆効果になってしまう場合もあります。また、医療機関に連れて行ったとしても、本人は困り感を抱えていないので医師としては何もできないというケースもあるのです」
これらのことから、医療機関に連れていくのが良いかどうかはケースバイケースだと真行さんは言います。発達障害に関する本に掲載されている具体的な事例の中で、パートナーに当てはまる部分を伝えた結果、受診につながったという事例もありますが、数としては少ないそうです。
このように、非常に難しい問題であるカサンドラ症候群ですが、フルリールには夫婦で相談に来る人もいるのだとか。
「妻に言われて渋々お見えになる方もいらっしゃいますが、
妻との行き詰まっている関係を改善したいと前向きな気持ちでお見えになる方もいます。夫婦のみで話し合っても問題解決が難しい場合、カウンセラーという専門家を交えることで冷静に話し合うことができ、専門的見地からのアドバイスにより関係改善の具体的方法が見えてくるのです。
また、自分のせいで妻がストレスを抱えているようだと悩み、夫ひとりでご相談に来るケースが、ここ一年増えています」