「明日から会社来ないで」突然クビになった女性の怒りと素早い行動
「その日の勤務もあと数時間で終わるというときに、急に人事からチャット連絡が入ったんです。『人事部長と面談があるので18時に会議室に来てください』と書いてありました」
都内在住の前原千佳さん(仮名)は神妙な面持ちで話し始めました。3年ほど前、前原さんは都内のウェブサービス企業で働いていましたが、突然クビを言い渡されたのです。
「社員数が40人程のスタートアップ企業でした。同僚たちは、同年代の30代の人が多くて、気の合う人たちばかりでした。仕事に対してやる気もあったので、毎日楽しく働いていました」
同僚たちのことを話す前原さんはとても楽しそうでした。しかし、その表情が再び曇ります。
「慌てて会議室の予約表を確認すると、人事部長と会社の顧問弁護士の名前で部屋が押さえられていたんです。嫌な予感がしました。キーボードに添えた指先が冷たくなっていくのを感じました。それから18時まで、生きた心地がしませんでしたね…」
時間通りに会議室へ行くと、すでに人事部長と顧問弁護士が待っていました。
「『会社からお願いがあります』と言って、人事部長は1枚の紙を取り出しました」
半ば放り投げるようにして置かれたその紙は、テーブルの上を滑って前原さんの前にやってきました。
「『退職勧奨通知書』と書かれていました。一体何の書類なのか、はじめは理解できませんでした」
人事部長から告げられた前原さんへの「お願い」は明日から会社へ来ないでくださいというもの。
「退職金を払うから会社を辞めてくださいと言われました。『勧奨』なので、会社に居残ることもできるけど、今後社内での立場が良くなることはないし、お給料も下げますと言われたんです」
突然、人事部長と顧問弁護士から呼び出し
「会社を辞めてください」と言われる
