その後、前原さんは会社と直接やり取りをすることはなく、弁護士が会社と交渉を行ってくれたそうです。

「とても頼もしかったです。会社に対して怒りはありましたが、おまかせをしてからは心穏やかに過ごすことができました」
1ヶ月程で会社との交渉が成立し、最初に提示された額よりも5割増の退職金を手に入れることができたそうです。かかった弁護士費用は着手金が8万円と、成功報酬金額が15万円ほどでした。
「退職金が増額されたことももちろんうれしかったのですが、
会社に言われるがまま辞めたわけではないことが清々しかったです」
手にした退職金は1年間ぐらいなら都内で一人暮らしができる額でした。前原さんはその使い道について目を輝かせて話してくれました。

「実はずっとイタリアに長期滞在したいと思っていたんです。ちょうど仕事もなくなったし、手元にはまとまったお金もあるし、
これは今行くしかない!と思って、3ヶ月間ミラノで過ごしました。ミラノのマンマと大の仲良しになって、語学学校でたくさんの外国人の友だちを作って、生まれ変わったように元気になって帰国しました」
これからは好きなことを仕事にしようと思い、現在はフリーのイラストレーターをしているそうです。「『雨降って地固まる』ですね」とコメントすると、「そうですね。ゲリラ豪雨並のひどい雨でしたけど」と笑っていました。現在は締め切りやクライアントへの売り込みに追われながらも、とても充実した日々を送っているそうです。
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<文/山村沙里>