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V系バンド好きの私が「ルッキズム問題」にモヤモヤしてしまう理由

ルッキズム”――。それは、外見を重視して人を判断したり、差別することをいいます。  最近では、東京オリンピック・パラリンピックの開閉会式で、タレントの渡辺直美さんの容姿を侮辱するような演出が提案されていたことが明らかになり、批判が殺到。この騒動は、“容姿いじり”、つまりルッキズムの問題へ注目が高まるひとつのきっかけにもなりました。
ライターの姫野桂さん

ライターの姫野桂さん

『発達障害グレーゾーン』の大ヒットで知られるライター・姫野桂さんが、自身のさまざまな“生きづらさ”をつづった初エッセイ『生きづらさにまみれて』を刊行しました。本書では、30歳で発覚した発達障害や、コロナの影響でアルコール依存症になったこと、仕事関係者から“都合のいい女”にされてしまった体験などが赤裸々につづられています。  今回はそんな姫野さんが、ルッキズムをテーマに綴った章を紹介します(以下、『生きづらさにまみれて』より抜粋、再編集)。

最近増えた“ルッキズム”にまつわる炎上

『生きづらさにまみれて』(晶文社)

『生きづらさにまみれて』(晶文社)

 近年ルッキズム(優れた容姿に価値があるという考え方)にまつわる炎上事件が多い。  2019年には某WEBメディア編集者が執筆した「カルチャー顔」記事の炎上事件があった。彼が定義するカルチャー顔とは「美しさの中に歪みがある」「標準的なハーフ顔とはちょっと離れている」など。今まで「塩顔男子」や「ジェンダーレス男子」などが流行った背景もあり、彼も一種の流行語を作り上げたかったとも読み取れる。  カルチャー顔について、言わんとしていることは分かるが、上から目線と捉えられる表現や、彼がカルチャー顔と定義するモデルや著名人などの具体的な名前と写真を掲載したことも波紋を呼んだ。  そして、カルチャー顔の一人として紹介された作詞家の小袋成彬氏は激怒。最終的に記事は取り下げられ、執筆した編集者は小袋氏の住むロンドンまで謝罪しに行きその模様も記事にした。その謝罪記事が面白ければもっと挽回できたのだろうが、わざわざロンドンまで行ったのにびっくりするほど面白くなかった。

ブスをネタに笑いを取ることはもう古い

 またこれも2019年、AbemaTVで放映された女性芸人をターゲットにした「ブスはいくらで脱いじゃうのか?」というドッキリ企画も炎上。ブスいじりをすること、女性の裸に値段をつけること自体、人権問題である。 「ブスをウリにしている女性芸人もいる」という声もネット上で散見されたが、顔の作りが整っていない女性芸人であっても、近年は容姿で笑いを取ることが減ってきているように感じる。ブスをネタに笑いを取ることはもう古いのだ。  ルッキズム問題は容姿を重要視するモデル業界にまで広がっている。身長158cm、体重86kgのプラスサイズモデルとして活躍中のエブチュラム真理栄氏は「“何が美しい美しくない”そんな話題すら無くなるそんな世界がルッキズムの解放だと、私は思います。」と、自身の豊満なボディの写真と共にツイートしている。
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私がルッキズム問題にモヤモヤする理由
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