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V系バンド好きの私が「ルッキズム問題」にモヤモヤしてしまう理由

なぜ今、ルッキズム問題が注目されているのか

考える女性 心の中で「あの子はブス」と思ってもいいけど、口に出したりいじったりしてはいけない。とにかく容姿を理由に傷つけてはいけない。そんな思いはあるものの、夜遅い混んだ電車の中でイチャついているカップルは必ずといっていいほどブスとブサイクのカップルで、イラッとしてしまうのは私の性格が悪いからであろう。  なぜ今、ここまで見た目問題が注目されているのか考えると、フェミニズム運動が盛り上がっていることも要因の一つと考えられそうだ。「女性の人権を叫ぶ女なんて男に相手にされないブスだけ」と罵るミソジニスト(女性を嫌悪、蔑視する人)もいるが、女優のエマ・ワトソンを始め、元女子アナの小島慶子さんや、#KuToo運動発起人でグラドルの石川優実さんなど、美しい容姿の女性たちも声を上げている。  ミソジニストが好む女性像はおとなしくて控えめで、それでいて容姿端麗で自分が支配できる女性だ。自分の意思を持つ女性は、彼らにとってブスと罵る対象となる。なんとも稚拙で呆れる話であるが、彼らは心の底では女性を恐れているのだろう。

それでも、メイクを褒められたら嬉しい

 急にルッキズム問題が浮上してきたことに恐怖さえ感じる。確かに差別は良くない。しかし、世の中には美人の部類に入る人の方が少ない。だからこそ、女子アナやモデル、芸能人として活躍できる人がいる。そして何より、可愛くなる努力、綺麗になるための努力を私自身は楽しんでいる。  新しいメイク用品をおろす際のワクワク感や、毎晩のスキンケアでプルプルの肌を触ること、毎朝乗る体重計(摂食障害があるのでこれはちょっと病的だが)数字を維持できていること。女性の担当編集から「そのアイメイク、いつもと違って良いですね。可愛い」と褒められたことも嬉しかった。それに加えてありのままの自分を受け入れ、バービーさんのような美容オタクになれたらもっとうれしい。 <文/姫野桂 構成/女子SPA!編集部 撮影(著者近影)/Karma>
姫野桂
フリーライター。1987年生まれ。著書に『発達障害グレーゾーン』、『私たちは生きづらさを抱えている』、『「生きづらさ」解消ライフハック』がある。Twitter:@himeno_kei
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