ELLYもプロゲーマーの側面を見せつつ、「CrazyBoy」名義でヒップホップアーティストとしての活動を本格始動させていく。2017年2月24日には1st EP作品『NEOTOKYO EP』をリリースし、独自の世界観を追求。その収録曲「OZ Monster feat.OMI」には登坂がゲスト登場し、「HIROOMI TOSAKA」名義のソロプロジェクトに繋げた。
登坂のソロとして初のデジタル・シングル「WASTED LOVE」(2017年7月27日リリース)では、登坂本人の過去の恋愛がリアルに歌い込まれている。一方、
今市もブライアン・マックナイトら尊敬するブラック・ミュージシャンたちとの交流を通じて、R&Bをバックグラウンドにしながら、2018年のソロデビューを温めた。
ソロアーティストとしての今市と登坂の音楽的志向は、それぞれ「R&B」と「EDM」とくくってしまうことは可能だが、三代目JSBが2018年6月6日にリリースした
7thアルバム『FUTURE』には、今市と登坂のソロCDが同時収録されており、志向する音楽ジャンルを超えて三代目JSBのツインヴォーカルが共存・共鳴関係にあることが分かるだろう。

映画『HiGH&LOW THE MOVIE 3 / FINAL MISSION』※松竹プレスリリースより
このように各方面で多彩に活躍するメンバー7人のソロ活動は、LDHによる2015年の総合エンタテインメントプロジェクト『HiGH&LOW』シリーズのドラマにて、メンバーそれぞれの特色をそのまま役柄に反映させた戦略的な配役によって集約されている。
LDH全体を見渡しても三代目JSBメンバーの演技力の高さは群を抜いているが、メンバーたちのこのシリーズでのインパクトは絶大だった。
日本テレビ系で放送のドラマ『HiGH&LOW〜THE STORY OF S.W.O.R.D.〜』(2015)から出演していたELLY、山下、岩田、登坂の他に、『HiGH&LOW THE MOVIE 2 / END OF SKY』(2017)からNAOTOと小林が配役され、今市は、『ROAD TO HiGH&LOW』(2016)で主題歌「FOREVER YOUNG AT HEART」を担当し、名バラードを披露。「全員主役」のキャッチコピーがあるように、このシリーズを通じてメンバー7人全員が最高のフォーメーションを組むことができたわけだ。
しかもこの今市の歌唱に筆者は深い感動を覚えた。
「
大好きだった映画の一場面 少年は最期に仲間に『いつまでも輝きを忘れるなStay gold!』そう言い残した」の「映画の一場面」とは、フランシス・フォード・コッポラ監督作『アウトサイダー』(1983)からの引用だが、これを今市が歌うことで、ラルフ・マッチオ扮する不良少年のように仲間たちに最高のエールを送っているのだ。
このように『HiGH&LOW』シリーズは、LDHグループ全体の一大プロジェクトでありながらも、三代目JSBの絆の強さを確かめ合う“サイドストーリー”としても読み込むことが出来る。
「輝き続けることが 生きてくことなんだと信じてきた」
そう、三代目JSBは、私たちにとっての「胸に光るダイヤみたいに」、これからも輝き続ける物語として語り継がれるのだった。
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<文/加賀谷健>
加賀谷健
コラムニスト/アジア映画配給・宣伝プロデューサー/クラシック音楽監修
俳優の演技を独自視点で分析する“イケメン・サーチャー”として「イケメン研究」をテーマにコラムを多数執筆。 CMや映画のクラシック音楽監修、 ドラマ脚本のプロットライター他、2025年からアジア映画配給と宣伝プロデュース。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業 X:
@1895cu
【リリース情報】
三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE BEST ALBUM&NEW ALBUM『BEST BROTHERS / THIS IS JSB』は、2021年11月10日(水)にリリース
(C)rhythm zone