離婚話が決着ついた後から私の不倫関係はそれほど長くは続きませんでした。 　彼も一人暮らしになったので、これまでの夫婦で住んでいた2LDKからは引っ越して、西東京のワンルームの安い家賃の場所に引っ越しました。 　通勤には時間がかかるようで、これまで私も人を家に転がり込ませるのが嫌だったわけですが、仕方なく週に数回、自宅に泊めるようになりました。私の自宅で何か食べて、自宅でTV観て…という、彼にとっては安上がりだったのでしょう。 　その頃の自分を振り返ると、「昔はどっか連れてってくれたり、面白そうなイベントとか探して外に連れ出してくれたよなあ…」と正直、不満に思っていた部分もあったかもしれません。 　やっぱり男性って自宅に招き入れて転がり込ませると甘えて何もしなくなりますよね。かといって、自分も外に出てのデートが減ったため、スウェット＆スッピンで過ごしていたので、女性としての魅力は半減していたとも言えそうです。 　という、色んなものを清算した上での恋愛でしたが、その後、あまりに空気のような関係性になっていたため、本当に些細なケンカで別れてしまいました。 　長年、他人の旦那というストッパーがあったから、「まあ、私が言っても仕方ない」という感じで感情的なことにはならなかったんだと思います。でも、いざそのストッパーがなくなると、女ってわがままになりますよね…。 　結論としては、不倫にはとにかくお金がかかります。余裕がある人じゃないとできないかもしれませんね。相手の家庭を壊してしまったし、後悔しています。 【他の回を読む】⇒シリーズ「女の人生、悲喜こもごも」の一覧はこちらへ 【他のエピソードを読む】⇒「実録！私の人生、泣き笑い」の一覧へ ＜TEXT／タケダマコ　イラスト／鈴木詩子＞