一方、同じ「苦手・許容・歓迎」の選択式アンケートで、BL（ボーイズラブ）を苦手という男性会員は1割程度で、7割は許容しているのだそうです。 「ただし許容というのは、歓迎しているわけではないです。たとえば好きな漫画名で『きのう何食べた？』のようにBL要素が薄い漫画は男性に言っても受け入れられると思いますが、逆にBL要素の濃い『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』はやめた方がいいでしょう」 　ドラマ化もした『チェリまほ』でさえ「やめた方がいい」ということは、初対面の男性相手にあんな本やこんな本や薄い本の話をするハードルは、けっこう高いのかもしれません。BL自体はセーフとはいえ、プロフィール時点ではあまり詳しい作品名などは書かず、2回目以降で様子を見ながら出していくのが良さそうです。 「『刀剣乱舞』のようなイケメンが登場するゲームも、若い方は抵抗がありません。ただし、年齢層が上がるとイケメンが登場するゲームを好ましくないと感じる方も増えてくる印象です。 　一定の年齢を超えると硬派なものしか認めないというオタクもいます。例えば、ガンダムも最近はイケメンキャラも登場して女性ファンも増えてきていますが、初期のガンダムしか認めないという男性も。ガンダムが好きというのは女性がプロフィールに書けば絶対に好印象ですが、いつのガンダムが好きか、詳細までは書かない方が無難です。 　男性ウケがいいのは、漫画ならジャンプ系でゲームなら任天堂系です。ジブリで男性ファンが多いのはバトルシーンの多い『もののけ姫』『ナウシカ』『ラピュタ』の3作品です」 　男性ウケのいい作品、けっこう王道なのですね。とはいえ仲を深めたら、お互いにもっとディープな話もできそうな予感がします。 　由利さんは現在、何百冊もの漫画本が並んでいる新居で暮らしています。夫さんが持っていたため、任天堂Switchも始めたようです。 「好きなものの感想を言い合えるのが楽しいです。オタクと結婚してすっごく幸せです」と話していました。 　申し込みが来た男性の中には、プロフィールにオタク要素がなくて断った人もいたそう。もし、プロフィールでオタクと分かっていたら会っていたかもしれないと考えると、非常にもったいないですよね。 　オタクだからモテないなんて、とても時代錯誤な説です。オタク女性がオタクを開示して婚活して、オタクと出会いやすいようになればなと願います。 ※個人が特定されないよう一部脚色してあります。 【とら婚】 アドバイザーが全員オタクのIJB加盟のオタク向け結婚相談所。池袋、秋葉原、名古屋、大阪に店舗がある。 【この連載で人気の記事1】⇒昔の“エビちゃんOL”服で婚活する37歳。「変わらない」ことの危うさ 【この連載で人気の記事2】⇒「婚活でハズレ扱い」ぽっちゃり体型で苦労した25歳女性が、幸せをつかんだ“作戦” 【他の記事を読む】⇒連載「私が結婚できないワケ」の記事一覧はこちらへどうぞ ＜取材・文／菊乃＞