そこで、愛梨さんは視聴者から羨ましいと思われたいがために、もっと彼氏とラブラブなところをアピールしようと思い立ちます。 「このタイミングでこの台詞を言ってほしいとか、頭を撫でてほしい、抱きしめてほしいとかお願いしました」 　すると彼は「俺の言葉じゃないから言いたくないし、強制されていちゃつきたくもない」と不機嫌になり、動画撮影は失敗に終わります。 「むかつきましたね。その頃の私はTikTokでちやほやされたり、羨ましがられたりすることが一番大事っていう思考になっていたので。普段は優しいくせに、こんなときだけ私のお願いを叶えてくれないなんて、一緒にいる意味ある？ とまで思っていました」 　彼氏の協力が得られないと、できることが限られてくるから何をすればいいんだろう……そう思っていたとき、愛梨さんの目に留まったのは、とあるカップルのドッキリ動画。それは、彼女がスマートフォンで彼を隠し撮りし、自分の無茶振りを叶えてくれるか検証するというものでした。 　これなら、彼氏にお願いしなくてもバズりそうな動画が撮れる。そう思った愛梨さんは「子犬系彼氏に別れを告げたら……？」というドッキリ動画を撮影しようと思い立ちました。 「3年も付き合っていて結婚の話もときどき出ていたから、彼が私から離れることはないなと思っていました。まずはLINEで『いきなりだけど、もう無理。別れよう』と送りました」 　すると、彼からは「どうしたの？ 今から家に行くから、話そうか」との連絡が。返信を見た愛梨さんは予想以上にいい画が撮れそうだと感じ、嬉しくなりました。