地元の風習で、義父を「通夜後に火葬」したら怒られた件
「その方はお義父さんの会社員時代の同僚で、告別式のみの参加でした。直接お別れの言葉を伝えられず残念に思っていたのでしょうけど、せっかく葬儀に来てくれたわけですし、反論するわけにもいかず本当に困りました。
途中で函館の友人という方が仲裁に入ってくれましたが、やっぱり告別式の後に火葬したほうがよかったのかもしれません。この人みたいに怒りはしなくても『やっぱり最後に会えないのはさびしいね』と漏らしている方もいたので」
なお、葬儀が終わった後は夫は仕事、お子さんも学校があったのですぐに帰京。ただし、専業主婦だった美結さんは函館に残り、義父の遺品整理や自宅の解約手続きをするためにさらに一週間ほど滞在。毎日手続きや作業に追われて忙しく、地元グルメを食べに出かけたり、街を散策する余裕はとてもなかったといいます。
「夫も『せっかくだし、ついでにのんびりしてきなよ。子供の面倒は見ておくから』と言ってくれましたし、少し期待していたんですけど……。お義父さんの家を引き払うための片づけや掃除をしなければならず、葬式中より全然忙しかったです(苦笑)。
重たい家具や家電、段ボールを持って動き回っていたせいか腕は筋肉痛だったし、腰も痛めちゃったので。それでもお隣さんや近所に住むお友達の方が様子を見に来てくれて、すごくみんなから愛されていた方なんだと感じました。私はもともと人付き合いが苦手で友達も多いほうではないため、そこはちょっとうらやましかったですね」
ほかの地域とは違う葬儀の進め方に困惑し、さらに故人宅の後片付けなど大変なことばかりだったようですが、いろんな意味で忘れられない体験になったみたいです。
―冠婚葬祭のトホホ―
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<文/トシタカマサ イラスト/やましたともこ>
葬儀後も函館にひとり滞在
トシタカマサ
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。
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