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松本穂香「ちょっと恥ずかしい記憶だけど…」映画『耳をすませば』の思い出を語る

 数々の映画やドラマに出演している、若手注目株の女優・松本穂香さん。大の映画好きでもあるという松本さんが、1995年のアニメーション映画『耳をすませば』について語ります。原作は、1989年に少女まんが雑誌『りぼん』で連載された柊あおいの名作『耳をすませば』。今年の10月14日から実写映画が公開されています。
銀幕ロンリーガール/松本穂香

松本穂香さん

見るたびに感情が動かされる、一番大好きな映画です

 今回、私がご紹介したい作品は、スタジオジブリのアニメーション映画『耳をすませば』です。ご紹介したいも何も超有名映画なので、大抵の方はご存じかと思いますが、このコラムを始めさせていただいてはや3年! 実写化を控えた(執筆時)タイミングで、私の大好きな映画を語らせていただこうと思います。  主人公の月島雫は中学3年生。受験を控えているが勉強に身が入らず、大好きな読書ばかりして過ごしている。そんな雫が、本を通して出会った少年に影響を受け、小説を書き始める――。
銀幕ロンリーガール/松本穂香

アニメーション映画『耳をすませば』より ©1995 柊あおい/集英社・Studio Ghibli・NH

 大きな展開はなく、ただただ一人の少女の大切な時間を描く作品です。私は、疲れたときや行き詰まってしまったときなど、大事な局面で見ています。

とても尊くて美しい。雫の痛々しさが好き!

 そんな私が、その魅力を語るとき、愛情をこめて「雫の痛々しさが好き!」と言っています。好きな人ができ、彼の頑張る姿に憧れ、焦りつつも努力し、大好きな小説を書くことで初めて自分自身と向き合い、没頭し、すべてをさらけ出そうとする。そして、でき上がった小説を初めて人に読んでもらっている間、雫はいてもたってもいられず、冬の夜のベランダで小さくなり読み終わるのを待つんです。部屋の中で待っていても過ぎる時間は変わらない。それでも、寒い外で震えながら……。  もちろん私にはそんな思い出はないけれど、なぜかこの雫の気持ちがわかるような気がします。自分でもわからない感情に動かされ、頭の中はぐちゃぐちゃ。初めてのことに心も体もついていかない。そんな感情の記憶が私にも確かにあるんです。ちょっと恥ずかしい記憶だけれど、あの時間はもう戻ってこないと思うと、とても尊くて美しい。
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見るたびに大切なものを教えてくれる
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