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松本穂香「宮本信子さんは年齢を自由自在に変えられるのがすごすぎる!」/映画『ハウ』

 数々の映画やドラマに出演している、若手注目株の女優・松本穂香さん。大の映画好きでもあるという松本さんが、8月19日公開の話題作『ハウ』(監督:犬童一心、出演:田中圭、池田エライザ、原作:斉藤ひろし)について語ります。
銀幕ロンリーガール/松本穂香

松本穂香さん

モフモフの愛おしさ…動物の賢さ、優しさに驚きと感動

 今回ご紹介する作品は、犬童一心監督の最新作『ハウ』。婚約者に振られ不幸のどん底に落ちた主人公・赤西民夫(田中圭)が、保護犬のハウと出会い紡いでいく日々を描く映画です。  いや~、とても素敵な映画でした。ハウの存在によって、みるみる元気になっていく民夫を見て、言葉は伝わらなくても心は確実に繫がっていると実感しました。
映画『ハウ』

『ハウ』より

 この映画で描かれる人間たちは生きづらさを感じていて、どうにもならない思いを抱えながら生きています。ハウは、そんな一人ひとりの思いを解きほぐすように、彼らを見つめているんです。フワフワの体と、キラキラの瞳で。きっと、ワンコが見ている世界はとってもピュアなんだろうなぁ。だからこそ、そんな世界を傷つけることは許されないんだなと思います。

なんと言っても宮本信子さん! 年齢を自由自在に変えられる

 キャスト陣も素敵な方ばかりでした。なんと言っても宮本信子さん!(大好き)前にご紹介した『メタモルフォーゼの縁側』とはまた違う素敵なご婦人を、柔らかく温かい身のこなしで演じられていました。常々思っているのですが、宮本さんは年齢を自由自在に変えられるところがすごすぎる!(こんなことを言うと当たり前すぎて失礼にあたるかも)  普段のご本人はスラッとシャキシャキされているのに、その役の年齢に合わせて所作を違和感なく変えられるんです。朝ドラ『ひよっこ』でご一緒させていただいたときから密かに思っておりました。そして、物語の中で異質な存在感を放っていた細川岳さんも素晴らしかったです。  そして、個人的MVPはハウを演じたベックくん! 何をどうしたらそんな動きができるの!? の連続で、驚きと感動が止まらなかったです! かわいくて愛しくて、民夫がモフモフするたびにそのモフモフの愛しさがこちらにまで伝わってきました……。私自身、小さい頃からワンコがいる環境で育ちました。だからこそ、動物の賢さ、優しさ、命の尊さに共感しながら、より一層身近にいる大切な存在を大事にしようと思わせてくれる、温かい映画でした。 ●『ハウ 配給/東映 脚本家・斉藤ひろし氏のエッセイを原作にした映画。斉藤氏は本作の脚本も務める。主人公の民夫役は、田中圭。©2022「ハウ」製作委員会 【他の記事を読む】⇒「松本穂香の銀幕ロンリーガール」の一覧はこちらへどうぞ <文/松本穂香> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
松本穂香
1997年2月5日生まれ。大阪府出身。2015年『風に立つライオン』で長編映画デビュー。2017年連続テレビ小説『ひよっこ』に出演して注目を集め、2018年にはTBS日曜劇場『この世界の片隅に』で主演に抜擢。2023年、映画『“それ”がいる森』で日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。2024年10月期月9ドラマ『嘘解きレトリック』では鈴鹿央士とともにW主演を務めた
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