私の障害に理解のある優しい彼→結婚後に“あるモノ“が目当てだったと発覚「離婚も考えています…」
「結婚当初は、持病がある私と結婚してくれてありがとうと思っていましたが、そんな気持ちもなくなりました。あの人にとって、私はどんな存在なのか? わかったものではありません」
そう話すのは、結婚3年目の佐藤カナさん(仮名・35歳)。
障害者手帳を持っていることで受けられる控除を、夫は“あてに”しきっているのではないか? そんな疑いを持つようになってから、カナさんはやりきれない思いに苛まれているそうです。
カナさんが夫・裕二さん(仮名)と出会ったのは、マッチングアプリでした。
見た目ではわからない先天的な障害を持つカナさんはためらったものの、友人の勧めもあって登録することに。理解ある人との出会いを望んでいました。
「未来のことを考えると、健常者と恋愛をしてもいいのかと迷いました。でも、もし自分の全部を受け止めてくれる人がいるなら出会いたいし、私もその人の支えになりたいと思ったんです」
裕二さんは「病気のこと、詳しく知りたいです。なんでも相談できる仲になりましょう」と言ってくれたそう。
優しい言葉が心に響き、カナさんは具体的な病状や1級の障害者手帳を持っていることなどを話しました。
「幸い今は普通に日常生活が送れているので、彼とのデートも普通にできました」
「僕は病気なんて気にしない」という裕二さんの言葉に、カナさんは心の底から安堵。2人は交際をスタートし、出会いから1年半後に結婚しました。
しかし、結婚後は裕二さんに対する不信感がどんどん募っていきます。
たとえば、裕二さんが気になっていた映画を一緒に見に行った日のことです。カナさんは普段、どうしても気が引けてしまうため、映画館で障害者割引を使ったことはありませんでした。
ところが、裕二さんは「せっかく安くなるんだから、使わないともったいないじゃん」と言い、障害者向けのチケットを勝手に発券してしまったのです。
「障害者用の上映券は同伴者1名も割引対象となるので、彼も安く映画が見られます。もしかして、それ目当てで映画に誘ってきたのかなとも思いました」
また、裕二さんが「一緒に行こう」と誘う場所も、障害者割引が使える施設ばかりであることが、カナさんは気になるようになっていたそうです。
窓口で係の人に障害者手帳を見せるたび、カナさんは自分が障害者であることをあらためて再認識させられ、気分が落ち込みますが、「そんなことはお構いなし」の裕二さん。
「夫に『障害者手帳をあまり出したくないんだけど……』と相談したことはあります。でも、夫は『堂々としてればいいんだよ』と言うだけ。そう返されるたびに、分厚い壁を感じました」
ただ、割引が発生する場面以外での裕二さんは、優しい夫そのものでもありました。体調を日々労わってくれる姿を前に、離婚は頭をよぎりませんでした。
「単に、健常者と障害者の考え方の違いなのかなと思っていました。私の普通と夫が思う普通が違うだけなんだろうなって」
先天的な障害を受け入れてくれた彼とアプリ婚
「だってもったいないじゃん」と繰り返し発言する夫

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