会社のPCで私用チャットは良くないかもしれませんが、バッグのぞき見はどう考えてもプライバシーの侵害ですし、人事部とかコンプライアンスを扱う部署に相談は?
「その時は思いつきませんでした。27歳での初就職だったので、“セクハラくらいで正社員のチャンスを逃してたまるか”と思い我慢していました。
でも、極めつけに有り得ないボディタッチをされて、我慢の限界がきました。触るといっても、肩とか手ならまだしも…それも気持ち悪いですが、1人で残業している時に、後ろから抱きついてきたんですよ。“お前は彼氏か!?”みたいな(笑)。
いやこれ、今だから笑えますけど、当時は本当にキツかったですよ。気持ち悪くて、ノイローゼになって、1週間会社を休みました。」

部長からしたら、自分が未経験だった深雪さんを正社員採用したから、弱みを握っているというか、“俺のおかげで入社できた”みたいな考えがあったのでしょうかね。
「それ、間違いなくあったと思います。社会人経験のない27歳だったので、かなり焦ってましたしね。」

「それから勇気を出して、人事部に打ち明けたのですが、その部長が出資会社から出向してきたお偉いさんだったようで、なかなか厳重注意もしにくいという有り得ない返答がきました。」
え~。今のご時世そんなのアリなんですか!?
「法的手段とかとるのも面倒だし、あんな上司のために時間割くのも嫌だし、しばらく泣き寝入りしていましたが、続けるのは厳しいという結論に至り辞めました。1年足らずでしたが、限界でしたね。
他の面での仕事環境も悪かったので、辞めて正解だったと思っています。」
その部長は今でものうのうと働いているんですか?
「どうなんでしょう。私が辞めてから人が一気に辞めたみたいで、一時期傾きかけたと聞いていますが、もう興味ないですね。」
こんな露骨なセクハラに対して取り合ってくれない会社って今でもあるんですね…。人事部も出資会社からの重役に注意して睨まれるのが怖いなど、“我が身が可愛さ”なのかもしれませんが、そんなの言い訳になりませんよね。
人の弱みにつけこんでセクハラを働く一個人や、それを許す会社を変えるためにも、世の中みんなが変わることが必要なのかもしれません。
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私達の身近な「セクハラ」 ―
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<TEXT/白戸ミフル イラスト/鈴木詩子>