冒頭で荒谷さんが話してくれたもう一方のケースはどう解決に向かったのでしょうか?
「姉妹それぞれに心理士が担当しました。姉には人間の体のプライベートゾーンは、みだりに他人に見せたり触らせたり、他人が見たり触るのを憚(はばか)るべき領域であることや、自慰行為そのものや妹の気持ちを推測するプロセスを教えました。妹には性的虐待に似た心のケアを行っていきました」
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幼少期から少女期の自慰行為で気をつけるべき点は、誰かを巻き込み嫌な思いをさせたり悲しませるような行為に及ばないようにすること。そういった場合は専門家に相談することも大切です。また、自慰行為の写真を収めることへの注意喚起は親にもしたい、と荒谷さんは続けます。
「娘の自慰行為に気づくきっかけの多くが保育園でのお昼寝です。お迎えの際に保育士から“娘さんが自慰行為をしていますが、どうしますか”などと報告を受けるケースです。
私の元に実際に相談をしてきた母親は保育士からの言葉が信じられず、保育士に娘のその姿の動画を撮ってきてもらい私に見せてきたことも。子供のプライベートな姿を
動画に収める行為は絶対に控えましょう。仮に撮ってしまったとしても、すぐさま削除が鉄則でしょう」

自慰行為はどんな年代であれ決して恥ずかしい行為でもいやらしい行為でもなければ、間違った行為でもありません。たとえ幼児であってもする子もいればしない子もいます。
「うちの子、こんなに早くにするようになって、大丈夫なのかな」と悩みすぎず、どうか暖かい目で見守りましょう。
<文/河合桃子>
河合桃子
1977年、東京都生まれ。男性週刊誌の記者をしながら、気になった女性ネタを拾って書いたりしてます。2児を育てるシングルマザーでもあります。