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幼稚園の同級生から性暴力を…。5歳の子ども同士の“性被害”から考える「子どもを守る方法」

著者のゆっぺさんが実際に体験した「子ども同士の性被害」を描いた衝撃作『なんで言わないの?』や、子どもを取り巻く“性”の問題をはじめとした「知らなかったではすまされない」さまざまな問題を描いた6作品を収録した漫画『5歳の私は、クラスの男子から性被害を受けました。~なんで言わないの?~』が2023年1月に発売されます。
5歳の私は、クラスの男子から性被害を受けました。~なんで言わないの?~

「5歳の私は、クラスの男子から性被害を受けました。~なんで言わないの?~」(扶桑社)2023年1月27日発売予定

【Amazonで予約受付中!描き下ろし漫画の特典あり】⇒『5歳の私は、クラスの男子から性被害を受けました。~なんで言わないの?~』の詳細を見る 今回はその中から一部内容を抜粋して紹介。子どもを取り巻く「性」の問題について、子どもを持つ親はもちろん、私たちが知るべきことを考えます。

5歳の子どもの間で起きた性被害

『なんで言わないの?』で描かれている「子ども同士の性被害」の内容はこうです。
なんで言わないの?

「なんで言わないの?」(以下、漫画「5歳の私は、クラスの男子から性被害を受けました。~なんで言わないの?~」より掲載)

著者のゆっぺさんは5歳のとき、幼稚園で同じクラスの男子から暴力を受けるようになります。「嫌だ」「やめて」と言えないゆっぺさんに対し、クラスの男子のいじめは加速。お昼寝の時間になるとゆっぺさんの下着に手を入れたり、ゆっぺさんの排泄行為を覗き見するなどの性暴力も加えるようになります。
「なんで言わないの?」の1コマ

「なんで言わないの?」

幼稚園に行きたくないと絶望的な気持ちになるゆっぺさんですが、被害を幼稚園の先生にうまく伝えることができず、ようやく伝えられたものの、「男の子は好きな女の子に意地悪をしちゃうもの」と笑ってあしらわれてしまいます。その後、意外な方向に物語は進むのですが、ゆっぺさんの体験は我々にとって「子ども同士でも性被害が起こり得る」という事実を教えてくれます。

低年齢でレイプされることも…

ゆっぺさんのこの体験にコメントを寄せている公認心理師・臨床心理士の鶴田信子さんは、子どもの性被害の被害者支援を行っています。鶴田さんは子どもの性被害について、「子ども同士で被害者と加害者になっているケースも多く、子ども同士ゆえにその実態は明らかにされにくいものの被害数は多く、深刻な被害も含まれます」と言います。
「なんで言わないの?」の1コマ

「なんで言わないの?」より

また、保育園・幼稚園などの低年齢でも被害は起きており、その内容もゆっぺさんのように排泄行為を覗き見されたり、下着の中に手を入れて陰部を触られる、 性的な暴力を集団でおこなうことなどもあれば、中には低年齢で口腔性交(こうくうせいこう:口を使って行う性行為)や肛門性交、膣内性交など男女を問わず強制性交(レイプ)されたということもあるそうです。 鶴田さんによれば「低年齢の子どもの場合、そもそも自分の受けた行為が性暴力である、と認識することが難しく、親や周囲の大人に伝えられない」という問題があるとのこと。
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思春期になると深刻な被害の数や種類は増えていく
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