News

幼稚園の同級生から性暴力を…。5歳の子ども同士の“性被害”から考える「子どもを守る方法」

思春期になると深刻な被害の数や種類は増えていく

また、収録作のひとつ『“思春期の性”、あなたならどう向き合う?』では、中学1年生のピー子ちゃんが中学校の同級生から性被害に遭う様子が描かれています。
「“思春期の性”、あなたならどう向き合う?」

「“思春期の性”、あなたならどう向き合う?」

ピー子ちゃんは、学校の保健室で休んでいたところクラスメートのばっ太君という男子から無理矢理キスをされます。拒否することでばっ太君からの報復を恐れたピー子ちゃんは、誰にも相談できず「嫌だ」と言えないまま悩む日々が続きます。そして最終的にばっ太君に「裸の写真を撮影した。SNSで拡散されなければ言うことを聞け」と脅されてしまいます…。
「“思春期の性”、あなたならどう向き合う?」

「“思春期の性”、あなたならどう向き合う?」

鶴田さんによれば、思春期になると自分が性被害にあったことを「親や周囲の大人に言うのが恥ずかしい」「言ったら怒られるかもしれない」「大事(おおごと)にしたくない」という気持ちから、被害を訴えるのが難しくなるそうです。そして思春期の性被害は、レイプの増加、SNSを使った性被害など、深刻な被害の数や種類は増えていきます。

親や大人はどうしたらいいの?

こういった子どもたちの性被害について知ると、「では、親や大人はどうしたらいいのか」と途方にくれそうになります。 鶴田さんは、子どもの様子がいつもと違うときは「反抗期だから」「いじめにあったのかもしれない」と大人が想定する理由以外にも「性被害にあった」という可能性も考える必要があると言います。そして少しでも被害について子どもが口を開いてくれたら、「話してくれてありがとう」「あなたは悪くないよ、悪いのは相手だよ」と子どもの話を信じて、気持ちを受け止めることが重要だと訴えます。 そして、「これは性被害だ」と認識し、園や学校に相談し、深刻に受けとめてもらえない時は警察や児童相談所(児相)に相談する必要があると伝えています。どこに相談してよいかわからない場合は、性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター(#8891)や警察の性犯罪被害相談電話全国共通番号(#8103)に電話をすれば、どうすればよいかを案内してもらえます。 そして、鶴田さんは「被害内容の深刻さの程度にかかわらず、性暴力は“自分の心と体は自分のものである”という主体性がおかされ、尊厳が傷つけられる体験となって、子どもたちの心の傷になります。それでも、その後の保護とケアによって回復していくことは可能」だといいます。
次のページ 
適切な性教育が重要となるが…
1
2
3
Cxense Recommend widget
あなたにおすすめ