
――逆に、自分をすり減らしてしまうと感じる行動はありますか?
高橋:インターネットですね(笑)。情報がエンドレスにずっと流れてきてしまうのが良くないのかなと思います。もちろん勉強になる記事もたくさんありますが、見ているうちに2時間経ってしまった!という経験があるので、今は集中したいときには思い切ってWi-Fiを切ってしまうことにしています。
あとは、あまり自分のことばかりを考えるのではなく、本を読んだり、植栽を触ったり、自分以外に思いを馳せる時間も必要なのだと思います。ときには部屋を一歩抜け出して新しい風を取り入れてみることも大事ですね。
――かつては音楽活動もされていて、忙しい日々を送っていた高橋さんですが、この暮らしにたどり着くまでは、試行錯誤があったのではないでしょうか?
高橋:若い頃は、部屋も生活習慣もぐちゃぐちゃでした。今だってそういうことはたまにあるけれど、「今片付けておけば明日心地よく過ごせるな」って、なるべく後回しにしなくなりました。でも、あんまり自分に厳しくないです。ダメなところも愛しながら暮らしていければいいんじゃないかなと思います。
――やはり、自分自身が心地よくなると、あらゆることが好転していくような気がします。
高橋:良い1日だったなぁと思うと、良い眠りにつけそうじゃないですか? 少しでも楽しいと思える日々が、私の暮らしを豊かにしてくれているんだなと思っています。いつか人生は終わってしまいます。明日の朝、清々しく目覚めるためには、どんな今日を過ごしたら良いのか、どのくらいの仕事量までなら心が擦り減らないのか? 自分にとっての最良を見つけられると、後悔が少なく暮らせるのかなと思います。
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高橋久美子さんの上梓した『暮らしっく』には、おうちの中のこと、食事のこと、ものの持ち方からご近所づきあい、二拠点生活など、暮らしを楽しむヒントが満載です。

<取材・文/小林ユリ 撮影/石川高央>
【高橋久美子さん】
作家・詩人・作詞家。1982年、愛媛県生まれ。音楽活動を経て2012年より文筆家として活動。主な著書に、小説集『ぐるり』(筑摩書房)、エッセー集『旅を栖(すみか)とす』 (KADOKAWA)、『一生のお願い』『いっぴき』(共に筑摩書房)、『その農地、私が買い ます』(ミシマ社)、詩画集『今夜 凶暴だから わたし』(絵・濱愛子、ミシマ社)、絵本『あしたが きらいな うさぎ』(絵・高山裕子、マイクロマガジン社)がある。翻訳絵本『おかあさんはね』(マイクロマガジン社)では、第9回ようちえん絵本大賞を受賞。執筆活動のほか、原田知世、大原櫻子、ももいろクローバーZなど、アーティストへの歌詞提供も多数。公式HP:「
んふふのふ」