ドラマ「愛の不時着」がブームになったが、北朝鮮と韓国の対立を素材にした映画やドラマの秀作は他にも沢山ある。そんな作品を独断で紹介！ 　海釣り中に難破し韓国に辿り着いた北朝鮮海軍が、韓国の海辺を舞台に繰り広げるドタバタコメディ。北朝鮮海軍艦長のペクトゥ（チョン・ジュノ）と兵士トンヘ（コン・ヒョンジン）が漂着したのは韓国の海水浴場。正体を隠しつつ、北朝鮮に帰る手段を探す2人だったが、そこで韓国の警察署長の娘と出会い、振り回されることに……。 　この手の作品では珍しく、北朝鮮側の人を主人公に据えて人間味溢れる描写を行っている点は評価に値するかもしれない。南北分断テーマ作品が悲劇で終わることが大半であるなか、コメディチックな結末である点も他作とは違う。 “韓流ドラマあるある”ネタが人気のお笑いコンビ、スクールゾーンの橋本稜。そんな彼が推すのが、’12年公開の映画『ハナ　～奇跡の46日間～』だ。’91年の世界卓球選手権で、史上初めて結成された南北統一チームの女子団体戦の実話を基にした映画である。 「南北分断を描いた作品は個人的にはファンタジーを見ているようであまりリアリティを感じないんですよ。でも、この映画は実話だし、敵対する国の選手がともに優勝という目標を目指す。一つになろうとする瞬間に誰もがグッとくるはずです」 　イチオシのシーンは、主人公の韓国選手役ハ・ジウォン、ライバルの北朝鮮選手役ペ・ドゥナがダブルスを組んで、最強の中国チームと激突するシーン。 「ハ・ジウォンはスタントマンを使わなくてもアクションができる女優なので、キレのある卓球シーンはアツい。ペ・ドゥナは目の動きや一瞬だけピクリとする表情で、全てを表現できる名バイプレーヤー。動と静の実力派女優の共演がたまらない。韓国作品には意外とスポーツものが少ないので、スポ根好きはどっぷりハマってしまうはずです」 　南北分断ものが苦手な人でも、存分に楽しめる入門作品として必見の一作だ。