これが模造品で、ブランドのテーマに沿ったファッションとはいえ、リアルファーの廃止やヴィーガンを求める声が高まっているなか、動物の頭を使った作品には納得がいかない。そんな声があちこちから上がっていたが、その一方で、意外な人たちがカイリーを援護射撃した。
アメリカ発祥の動物愛護団体PETA(動物の倫理的扱いを求める人々の会)は、今回の件についてコメントを発表。PETA代表のイングリッド・ニューカーク氏は、波紋を呼んでいるドレスに理解を示した。
「カイリー、ナオミ、イリーナのファッションは、野生動物の美しさを称賛しているものです。これは、人間のエゴイズムを満たすために、ライオンや狼を引き裂く
トロフィーハンティング(※)の恐ろしさについて話し合うきっかけを与えてくれるでしょう」
(※)動物の頭部や皮を持ち帰ることを目的とする、娯楽や趣味のための狩猟
「皆さんに考えていただきたいのは、羊毛のために血まみれになった羊や、生きたまま繭の中で煮られる蚕など、ファッションショーのために命を奪われる本物の動物たちのことです」
PETAといえば、昨年12月、渋谷にあるケンタッキーフライドチキンの店舗前に集結し、サンタクロース姿でデモを決行。「クリスマスにチキンを食べるのをやめよう!」と通行に呼びかけて、SNSをざわつかせたことが記憶に新しい。
動物を守るため、ときに過激な行動をとることで知られているPETA。それだけに、今回も痛烈批判するかと思いきや、予想に反してスキャパレリのコレクションに好意的な反応を示している。
このように大論争を呼んだカイリーのファッションだが、彼女のすぐそばに座っていた歌手のドージャ・キャットの衣装も大変な注目を集めた。
頭のてっぺんからつまさきまで、全身燃えるような赤で統一。そして、体のあちこちに3万個のスワロフスキーのクリスタルが散りばめられている。クリスタルは5時間近くかけて、全て手作業でつけられたという。
スキャパレリのショーで、最前列に座っていたというカイリーとドージャ・キャット。特別なゲストが座ることが多い最前列は常に大きな注目を集めるが、今回のショーでは特に際立っていたようだ。
<文/BANG SHOWBIZ、女子SPA!編集部>