「知り合いに片っ端から声かけて」マルチ商法のような研修
開業してすぐに加盟店本部から、本社(東京)で開催される対面の新人研修に参加するように言われます。Aさんは「
WEBで完結じゃなかったの?」と思ったそうです。
その時、東京都では緊急事態宣言が発令されていて、毎日のように1万人を超える感染者が出ていました。そんな中、往復約2万円の交通費を出して東京に行きました。
本社で同時期に開業したという人たちに会いました。40代半ばのAさんより、年上の人が多かったそうです。研修後に任意参加の口コミ集客研修が案内をされ、Aさんはそちらにも参加することにしました。

口コミ研修の内容は、
知り合いに片っ端から声をかけて独身者のリストを集めろ、既婚者なら独身者の紹介を依頼しろというもので「まるでマルチ商法だな」と感じたそうです。職場に独身の同僚もいましたが、問題が多いのも知っていたので結婚相談所を勧める気にもなれません。
事業を開始してしばらく経っても会員0人のままでしたが、本部からは集客のためにSEO対策やGoogleマイビジネスの管理システム、先輩仲人による仲人塾など、
有料のプランを次々紹介されます。
一度だけ、本部から他の結婚相談所でうまくいかずにやめた会員を紹介されたことがあったそうです。その方は人見知りで、お見合いすると疲れて寝込むこともあり退会したと話してくれました。Aさんも「あなたには結婚相談所が向いていないと思うよ」と伝えて、入会は勧めませんでした。

ほどなくAさんの会社は結婚相談所事業からの撤退を決めました。
どうしても結婚相談所をやりたくて開業しているわけでもなく、競合も多く予想以上に集客が難しい中で、コンセプトさえ決められない自分が気軽に手を出すべきではないと思ったそうです。
開業前に集客が大変などのリスクの説明もなく、また法人契約プランで開業したものの個人プランとの内容の差がないなど、本部への不信感もあったそうです。
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