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子どもに配慮?令和のアニメで「姿を消した人たち」。昭和では“当たり前”に出ていたのに

令和発のアニメにおける家族の描き方

 筆者も、両親こそいましたが、土日も働きに出る自営業の家で育ったため、サラリーマンの父と専業主婦の母が多いアニメを見て、疎外感をおぼえた記憶があります。両親に「会社で働いてほしい」と懇願することもありました。
DVD『クレヨンしんちゃん TV版傑作選 第15期シリーズ14』(シンエイ動画)

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 家族の存在感を薄れさせることで、誰にも縛られない主人公自身の活躍を描けるという点もあるでしょうが、この令和発のアニメにおける家族の描き方は、やはり、センシティブで純粋な子どもを刺激させないための配慮も含まれているのでしょう。

アンパンマンは少し特殊。家族関係はほぼ描かれない

 昭和最後の秋である1988年に放送を開始した長寿アニメ『それいけ!アンパンマン』(日本テレビ系)だけはその例外と言えます。近年出生した赤ちゃんという新規ファンを年々確実に取り込み、この先も終わりの見えない人気を長年キープしている状態です。
DVD『それいけ!アンパンマン  アンパンマンとえがおのひみつ』(バップ)

DVD『それいけ!アンパンマン アンパンマンとえがおのひみつ』(バップ)

 家族関係に目を向けると、アンパンマンワールドにいるメインキャラクターは、妖精設定ということもありますが、はっきりと関係性を言及されているのがメロンパンナとロールパンナの姉妹くらい。あとは、脇役ですがちびぞう、カバオの母子でしょうか。  ドキンちゃんとコキンちゃんも、コキンちゃんが「お姉ちゃん」と呼んでいるだけで血縁はなく、ばいきんまんを「パパ」と呼んでいるフランケンロボくんも、ばいきんまんサイドは息子と認めず、迷惑がっているほどです。  愛らしく毒のないキャラクター、そして赤ちゃんが心理的に安心する丸い造形に加え、長年新しいファンがアンパンマンに増え続けるのには、どんな家庭の境遇の子どもたちも楽しく見られる安心感があるからだと考えられます。
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「夫婦別姓」や「同性婚家族」の登場もある?
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