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ノーワクチンノーマスク妻と離婚。すれ違いは出産する助産院への“盲信”から始まった

―連載「沼の話を聞いてみた」― 第1子誕生後、ほどなくして旺太郎さん(仮名・50代)夫婦は離婚した。それだけ聞くと、よく聞く「産後クライシス」なのか? と思う。しかし夫である旺太郎は、 「価値観の違いやすれ違いの積み重ねではあるが、離婚の決定的な原因は、助産院の存在だ」 と、体験談を語ってくれた。元妻が家庭よりも助産院での人間関係を優先し、結果、別居から離婚に至ったという。
助産院離婚202306

※写真はイメージです(以下同)

助産院とは、助産師を責任者とする、医療法で定められた施設のことだ。病院と違うのは、医療行為ができないこと。 いろいろなパターンがあり、妊婦健診や産後ケアのみでお産を扱わない施設もある。お産を扱っていても、必要と判断されれば嘱託医療機関への転院や搬送が行われる場合もある。産後ケアが充実している施設も多く、母乳ケアや育児相談、各種親子向けイベントも開催されている。小規模でアットホーム。「寄り添うケア」「人と人との距離が近い」なども、特筆される点だろう。

妻の希望は、遠方の助産院

それがよかったのか、悪かったのか。妻と助産院(とその周囲)の縁が深まった結果、夫婦の距離は修復不可能な域に達し、離婚となった。一体、どのような経緯があったのか。 「趣味の集まりを通じて出会って結婚し、ありがたいことにすぐに子どもを授かることができました。すると妻が、親友が出産した助産院で産みたいと言い出しまして。自分としては助産院でも病院でもいいんですけど、妻が希望するその施設が我が家からちょっと遠いことが気にかかりました。距離にして、自宅から30km弱。電車を2回乗り替え、最寄駅からバスを利用。スムーズに移動できても、1時間半はかかります」

こんな説が飛び交う助産院

「緊急時が心配だし、もっと近い場所にいくらでも助産院も病院もあるんですよね。だから、もう少し近くの施設ではどうかと提案したものの、絶対そこで産むんだと。自分の意見は、まったく聞き入れてもらえませんでした」 助産院離婚202306話を聞いていくと、そこはかなりの有名どころといっていい助産院だった。筆者も過去のインタビューで、複数の人からその助産院の話を聞いたことがある。「お迎え棒*1」「冷え取り健康法*2」「白いものは体に毒*3」「福島の物を食べてはいけない(放射能対策)」など、一般的な病院の産婦人科ではまず聞くことができないような、インパクトある話がたくさん出てきたのを覚えている。 *1…陣痛をうながす効果を期待して、セックスを行うこと。一般に医学的根拠はないと言われているが、お迎え棒を説明する書籍などには「精液に含まれるホルモンが陣痛促進剤と同じような働きをする」などそれらしいことが書かれている。 *2…進藤義晴医師の考案した民間療法。シルクと綿の靴下を重ね履きして毎日半身浴をし毒を出せば、頭寒足熱で健康になるというもの。 *3…精製された砂糖や塩はミネラルがとれず「自然」ではないので好ましくないという考え方。「小麦粉は体を冷やす」というものもある。
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妊娠中の妻の食生活にも疑問が…
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自分が身内が友人が沼ったご体験談を募集中です。当連載における沼とは、科学的根拠のない健康法やマルチ商法、過激なフェムケアや自然派思想など、主に健康問題に関わるものにハマることを示します。「女子SPA!」のお問い合わせフォームより、ぜひお気軽にご連絡ください(お返事に時間を頂戴する場合もあります)。
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