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「俺に対してプレゼンしろ」DV夫はワーカホリックが多い…日本社会が抱える”病としてのDV”

警察庁が2012年中に検挙した、配偶者間における殺人・傷害・暴行は4457件で、そのうち4149件(93・1%)は女性が被害者となった事件でした。つまり被害者の9割以上が女性で、加害者の9割以上が男性だということです。 男尊女卑依存症社会しかもこれはあくまで検挙された件数でしかなく、表に出てこない被害はどれだけあるかわかりません。 また、ここで示されているのは殺人・傷害・暴行とみなされるDVのみで、精神的、性的、経済的、社会的、そして子どもを使った暴力は含まれません。 それでも、DVは主に男性から女性に対する暴力であると断言していいと思います。私が加害者臨床の現場で相対してきたのも、100%男性でした。

DV加害者はワーカホリックが多い

DV加害者たちは、一見やさしげな風貌の男性が多いです。人当たりがよく、話も上手で、いわゆる“いい人”に見えます。おまけに、仕事熱心です。 こうなると社会からの評価はとても高く、発覚したときに「まさかあの人が」と思われます。 仕事熱心といえば聞こえがいいですが、それも度を過ぎていて、あきらかにワーカホリックの傾向があると私は見ています。本人たちも「俺は仕事ができる」と自負しています。

部下に指示するのと同じように

だからでしょうか、家庭でも指示命令系統を作りたがるのがひとつのパターンです。当然、上司にあたるのは自分で、妻は部下です。 男尊女卑依存症社会ワーカホリックの人は仕事を通じてしか人と接することができないので、家庭にもそれを適用させようとしているのでしょう。 妻に指示を出して家庭を切り盛りさせ、それを自分が評価するという構図を作るのです。 暴力克服プログラムでは、妻にどんなことをしてきたのかを話してもらいますが、妻が何かを望んだとき「俺に対してプレゼンしろ」と命じていたという人がいました。
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