「俺に対してプレゼンしろ」DV夫はワーカホリックが多い…日本社会が抱える”病としてのDV”
それに適応することは社会を生き抜くための術ではありますが、ワーカホリックになると、仕事で接している世界がすべてになるため、家庭でも妻やほかの家族と対等の関係を築くという発想がなくなり、部下のような感覚で、妻をコントロール下に置こうとします。
DVという形で暴力に依存している人、暴力でしか家族とつながれない人は、家庭内で孤立しています。
本人は結びつきを感じていることもありますが、それは一方的な思い込みにすぎません。
耐えかねた妻が家を出たとき、それを青天の霹靂と感じ、理由がまったくわからない加害者は多いのです。
そもそも本人が思うつながりも「養ってやっている」という一方的なものだったり、非常に支配的なものだったりで、およそ適切とはいえません。
会社でも家庭でも、人と本当の意味で親密な関係を築くことができず孤立するワーカホリックの人たち。
人間関係においてすでに“死”を迎えているといっていいでしょう。
<構成/三浦ゆえ>
まさか妻が家を出るとは

人間関係における「死」

三浦ゆえ
編集者&ライター。出版社勤務を経て、独立。女性の性と生をテーマに取材、執筆を行うほか、『女医が教える本当に気持ちのいいセックス』(宋美玄著、ブックマン社)シリーズをはじめ、『50歳からの性教育』(村瀬幸浩ら著、河出書房新社)、『リエゾン-こどものこころ診療所- 凸凹のためのおとなのこころがまえ』(三木崇弘著、講談社)、『新生児科医・小児科医ふらいと先生の 子育て「これってほんと?」答えます』(西東社)などの編集協力を担当。著書に『となりのセックス』(主婦の友社)、『セックスペディアー平成女子性欲事典ー』(文藝春秋)がある。