はっきりした結末が示されなかったことで視聴者としてはモヤモヤしたのだろう。離婚までしたのだから、みちと誠が一緒になるはずだと信じていた人もいそうだ。 　だが、みちと陽一は離婚したままで、あの坂道のシーンは昔の回想かもしれない。あるいはもう一度、「新婚」から再スタートしたのかもしれない。はたまた、別々に住みながら関係を復活させているのかもしれない。レスから始まった話は、レス解決には至っていないが、それだけが男女の絆でないことも確かだろう。 　誠を好きになりながらも心の中から陽一が消えなかったみち。やはり自分から好きになった陽一を、最後まで捨てることができなかったのだろうか。 「人の家庭をめちゃくちゃにしておいて」と楓は言ったが、家庭をめちゃくちゃにしたのはみちではなく、夫の誠である。誠自身も言っていたが、彼が「一方的に精神的支えを求めてしまった」のだ。見ようによってはみちが引きずられたとも言える。だが、ふたりは最後まで体の関係をもっていない。レスが引き金となって他の異性に走りながら、結局、そちらもなにもないままに終わった。 　制作スタッフが9年前の『昼顔』と同じだったらしいが、『昼顔』が不倫を真正面からとらえ、強く惹かれ合う男女の愛を濃厚に描いたのとは対照的に、今回は愛と人生に迷える30代の心情が中心になっていた。ドロドロしないのは「今風」なのかもしれない。次回の「特別編」で何か新たに明らかになることがあるのだろうか。 【関連記事】⇒ドラマ『あなたがしてくれなくても』みちが誠を振った本当の理由は？“好きな人”ではなかったのか 【Amazonで発売中！】⇒ノベライズ本『あなたがしてくれなくても（上）』の詳細はコチラ 【Amazonで予約受付中！】⇒ノベライズ本『あなたがしてくれなくても（下）』の詳細はコチラ ＜文／亀山早苗＞ ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】