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この夏にこそ観たい!隆史&豊の“伝説的共演”ドラマが今でも語り継がれるワケ

新旧まぜこぜになった魅力

『真夏のシンデレラ』(フジテレビ)公式サイトより

『真夏のシンデレラ』(フジテレビ)公式サイトより

 タイミングと言うと、2023年7月期の月9作品『真夏のシンデレラ』(フジテレビ系、毎週月曜日よる9時放送)では、江ノ島を舞台に久しぶりに夏の海物語が描かれている。 『ビーチボーイズ』とは作風やテイストは似て非なるものではあるが、これを期に夏物ドラマの源流を辿ってみるのもいいかもしれない。 『ビーチボーイズ』は、いつの夏に見ても色褪せない。常に“新作”として鑑賞に耐え得る作品でもある。それでいて当然懐かしさも感じる。新旧まぜこぜになった魅力とでも言うのか。  当時リアタイしていた世代なら、反町と竹野内の若き姿に自分自身を投影できるし、初見の若い世代なら、「え、こんなイケメンだったの!」みたいに素直に驚く。しかも単に海が舞台の能天気な雰囲気ではなく、若者特有の気だるさを込めるリアルな筆致は、今の世代にも十分響く。

躍動感のあるメインタイトル

ビーチボーイズ 冒頭場面を見てみよう。反町扮するヒモ男・桜井広海は彼女に家を追い出され、一文無し。エリート商社マンの鈴木海都(竹野内豊)はミスをして大プロジェクトから外され、生き甲斐を失う。それでふたりが向かうのが海という鮮やかな発端。  行き場のない主人公が海へ行く。キャラクターを突き動かす感情としてこれほどシンプルな動機はない。誰もが海に対して抱くロマンも仮託され、視聴者は広海と海都に全幅の信頼を寄せられる。  広海と海都の対比も素晴らしい。クールな海都が電車に揺られていると、車窓に並走してくる車が見える。騒音を気にせず広海がガンガン音楽をかけている。追い抜け、追い越せ、海都は躍起になる。途中でガス欠する車は停車し、電車は先へ走り去る。  底抜けに明るい広海は、こんなシチュエーションでも愉快に吹っ飛ばす。腕時計を海に投げ捨てた彼が、「夏はやっぱ海だね」と言う。直後にメインタイトル(ああ、これぞ月9!)。何と躍動感のある場面の運びだろうか。
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2人のブレない俳優像
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