
野菜がたっぷり入った餃子の具。味付けの工夫でおいしく食べることができます
続いては、味付けの工夫です。
子どもが薬を飲むときに甘いドリンクで飲むことを思い出してください。実は甘味や旨味には苦味や渋みのマスキング効果があり、この原理を料理にも活用することができます。具体的には甘味や旨味を持つ調味料を積極的に取り入れていくという方法。
ここではわかりやすいように、子どもの人気メニュー「餃子」に野菜を入れるケースで考えてみましょう。具材を混ぜる際に加える調味料としてオススメなのが、オイスターソース、粉チーズ、ケチャップ、はちみつです。
焼き上がった餃子を食べてみると、こんなにも野菜が入っているとは思えない風味に仕上がります。分量はいずれも“適量”がよく、小さじ1大さじ1程度から加えてみると良いでしょう。
味のバランスがわからなくならないよう、醤油の代わりにオイスターソース、ソースの代わりにケチャップと代替してみるのも効果的。我が家では、小松菜とラディッシュを入れた野菜ギョウザが大人気になっています。

小松菜とラディッシュがたっぷり入った餃子。オイスターソースとケチャップを加えることで「野菜入ってるの? 全然わからないな!」と言ってもらえます

コールドプレスジュースには、野菜に含まれる栄養素を壊すことなく摂取できるメリットがあります
最後は、食材の組み合わせや調理法の観点です。
そもそも野菜を食べさせたい大きな理由のひとつは、ビタミンやミネラルなどの栄養素を摂取できるからというもの。実は料理の工程(主に加熱が原因)でこれらの栄養素が破壊されてしまうこともあるため、闇雲に野菜を食べることがいいとも限りません。
そこで提案したいのは、凝った野菜料理を目指すよりも、手軽なジュースをおいしく楽しむというアイデア。具体的には苦味を感じないように甘味のある果物と組み合わせること、熱の発生しないコールドプレス製法でジュースを作ることです。
特にコールドプレスジュースは外皮や繊維質が取り除かれることによって苦味も緩和され、飲みやすさが向上します。
また野菜以上に栄養バランスのよい果物もあるため、野菜だけに固執する必要はありません。我が家では小松菜やニンジンを入れたジュースをリンゴやパイナップル、キウイやベリー類と組み合わせて毎日飲んでいます。
ということで、どうか心配しすぎることなく、子どもの成長に寄り添いながら、大らかな気持ちで野菜との付き合い方を考えいくというのはいかがでしょうか?
これからも無理なく続けられて実践しやすい食育法をご紹介していければと思います。
<文・撮影/食文化研究家 スギアカツキ>