股関節を痛めても、カートを引いてジム通いをした日々

バランスのとれた美しい肉体からはまったく年齢が感じられない山野内さんですが、数年前には股関節を痛め、一時はボディビルから離れることも考えたそう。
「60代になるとどこか体を痛める人も多いですが、私も同様に股関節を痛めて、スクワットすらできなくなってしまったんです。先生からは『安静にして』と言われましたが、筋トレをやめられなくて、キャスター付きのバッグを手押し車代わりにしながら、ジムに通っていました。
周囲からは『なんでそんな状態になってまでトレーニングをするんだ』と言われましたし、息子からも『介護は無理だよ』と呆れられましたね。ある日のジムへの帰り道、『私はオリンピックに出るわけでもないのに、なんでこんな思いをしながらも筋トレを続けているのだろう……』と思ったこともあります」
しかし、その後も、股関節の痛みと向き合いながらもトレーニングを継続。現在ではかなり状態が改善したそう。
「もし股関節を痛めたときに筋トレをやめていたら、関節も使わず、筋肉も固まってしまうので、現在より体ももっと悪い状態になっていたはずです。あのとき、諦めずに続けていたからこそ、今も筋トレを続けられているんだろうなと思います」

現在は、より活躍の場を広げるため、これまで筋トレになじみのなかった人たちにトレーニングを教えるパーソナルトレーナーや、40代以降でも痩せやすく引き締まった体になれる方法を発信する
YouTuberとしても活動。その中で喜びを感じるのが、40代以降の女性たちの間で筋トレを始める人が増えていることだそうです。
「筋トレに年齢は関係ありません。いくつになっても成果は出ます。『今から始めても遅い』などと思わずに、ぜひいろんな方に始めてほしいなと思います。最近、YouTubeを配信するケースもあるので、40代以降の女性から『山野内さんの年齢を見て、やる気になって筋トレを始めました』と言われることが多く、うれしいですね」
「筋トレを始めては見たものの、なかなか続けられない」という人も少なくないが、18年間にわたって筋トレを続けてきた山野内さんは、ひとまず3か月が一つの目安だと語る。
「今年7月にカーリング日本代表の藤澤五月さんがボディビル大会に出場した際、『わずか2か月半であの身体を仕上げた』と話題になりました。ただ、あれは日頃から鍛えているプロアスリートだからこその成果。筋トレは最低3か月、続けないと成果はでません。
『筋トレを始めたけど、継続できない』という人は、まず3か月だけ頑張ってください。ジムに行かなくてもいい。現代はYouTubeなどを活用すれば、家でも十分始められます。おうちでのトレーニングを3か月続けるだけでも、全然違いますから」