後日、またもちふゆに嫌がらせをされたハルキは、土砂降りの雨の中、深愛の家にやってくる。寒さに震えるハルキを帰すこともできない深愛は、家に上げるのだが、すぐに母が帰宅する。なんとか母の目をごまかすために、ふたりで風呂に入り、ハルキを自分の部屋にかくまう。
机に飾られている深愛と母親の写真をハルキが見つめる。深愛は眼帯をしている。どうしてこんな写真を飾っているのだろう。食事を持って来た深愛に尋ねると「おかあさんが気に入っている写真だから」。

母が部屋に入ってくるのを心配して、深愛は狭いベッドにハルキと潜り込んだ。
ハルキは「
親に怒られるのがそんなに怖いの?」と尋ねる。「怖いよ。見捨てられることがいちばん怖い」と答える。
「親に見捨てられたっていいじゃないか。親なんてこっちから見捨ててやればいい」
ハルキは自分の素直な気持ちを深愛にぶつけた。深愛は目を見開いてハルキを見つめた。そういう価値観は彼女の中になかったのだ。
深愛はハルキによって自立の芽を伸ばすことができるのだろうか。実際にはしっかりしているし、年相応の自立心があるのに、
彼女自身が母に遠慮してその力を伸ばすことができずにいるだけなのだ。彼女はそれに気づくことができるのだろうか。
そして深愛とつきあっている父親に激しい嫌悪感を抱いているハルキの行く末はどうなるのか。はたまたメンタルを病み、それを深愛に癒やしてもらっていた夏生の妻ふみこ(戸田菜穂)は、夫と息子と深愛の関係をいつ知ることになるのだろう。
泥濘ならぬ泥沼の関係は、いよいよ大団円を迎えそうである。
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<文/亀山早苗>
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