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義父母が事故にあった時、彼女は笑った。“怒鳴られ続けた嫁”が「加害者」になるまで

「親なんてこっちから見捨ててやればいい」

 後日、またもちふゆに嫌がらせをされたハルキは、土砂降りの雨の中、深愛の家にやってくる。寒さに震えるハルキを帰すこともできない深愛は、家に上げるのだが、すぐに母が帰宅する。なんとか母の目をごまかすために、ふたりで風呂に入り、ハルキを自分の部屋にかくまう。  机に飾られている深愛と母親の写真をハルキが見つめる。深愛は眼帯をしている。どうしてこんな写真を飾っているのだろう。食事を持って来た深愛に尋ねると「おかあさんが気に入っている写真だから」。 「泥濘の食卓」 母が部屋に入ってくるのを心配して、深愛は狭いベッドにハルキと潜り込んだ。  ハルキは「親に怒られるのがそんなに怖いの?」と尋ねる。「怖いよ。見捨てられることがいちばん怖い」と答える。 「親に見捨てられたっていいじゃないか。親なんてこっちから見捨ててやればいい」 ハルキは自分の素直な気持ちを深愛にぶつけた。深愛は目を見開いてハルキを見つめた。そういう価値観は彼女の中になかったのだ。

深愛は自らの意志を把握できるようになるのか

 深愛はハルキによって自立の芽を伸ばすことができるのだろうか。実際にはしっかりしているし、年相応の自立心があるのに、彼女自身が母に遠慮してその力を伸ばすことができずにいるだけなのだ。彼女はそれに気づくことができるのだろうか。  そして深愛とつきあっている父親に激しい嫌悪感を抱いているハルキの行く末はどうなるのか。はたまたメンタルを病み、それを深愛に癒やしてもらっていた夏生の妻ふみこ(戸田菜穂)は、夫と息子と深愛の関係をいつ知ることになるのだろう。  泥濘ならぬ泥沼の関係は、いよいよ大団円を迎えそうである。 【関連記事】⇒枯れたおじさんと不倫する、田舎住み25歳女性の胸のうち。“純粋に”恋に突っ走る恐ろしさ|ドラマ『泥濘の食卓』 【関連記事】⇒好きな男の子に「レイプされそうになった」と噂を流す少女。その“とんでもない理由”にゾゾッ…|ドラマ『泥濘の食卓』 <文/亀山早苗> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
亀山早苗
フリーライター。著書に『くまモン力ー人を惹きつける愛と魅力の秘密』がある。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。Twitter:@viofatalevio
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