義父母が事故にあった時、彼女は笑った。“怒鳴られ続けた嫁”が「加害者」になるまで
「親なんてこっちから見捨ててやればいい」
母が部屋に入ってくるのを心配して、深愛は狭いベッドにハルキと潜り込んだ。
ハルキは「親に怒られるのがそんなに怖いの?」と尋ねる。「怖いよ。見捨てられることがいちばん怖い」と答える。
「親に見捨てられたっていいじゃないか。親なんてこっちから見捨ててやればいい」
ハルキは自分の素直な気持ちを深愛にぶつけた。深愛は目を見開いてハルキを見つめた。そういう価値観は彼女の中になかったのだ。
深愛は自らの意志を把握できるようになるのか
亀山早苗
フリーライター。著書に『くまモン力ー人を惹きつける愛と魅力の秘密』がある。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。Twitter:@viofatalevio






